市立横須賀総合高校が、全日本高校デザイン・イラスト展の団体表彰で、全国1位となる文部科学大臣賞を獲得した。個人では2つの部門で2位に輝き、計19作品が入賞・入選を果たした。今月23日には、東京都内のギャラリーで表彰式が行われた。
同展には、「フェスティバル」という単語から発想を膨らませるデザイン部門と自由テーマのイラスト部門、漫画作品のアニメーション部門がある。全国から1398点(1305人)の応募があった。団体表彰は、個人での出品数や受賞などを総合的に評価され、計19作品が個人賞に輝いた同校が全国1位の文部科学大臣賞に選ばれた。
授業作品が上位に
応募には、美術部が取り組んだ作品に加え、顧問の高野芳幸教諭が担当する美術科目を選択する生徒も出品。細密なイラスト・絵画を描くことを課題に設定し、今回のコンクールに合わせて作品を授業内で制作した。その中で、陸上部所属で美術系の進路を考えているという3年生の土居翔さん=写真前列左から2番目=の作品が、デザイン部門で全国2位の経済産業大臣賞を獲得した。
またイラスト部門では美術部の寺原ねねさん=前列右から2番目=が、1年生ながら全国2位にあたる文部科学大臣賞を受賞。高野教諭は「授業作品の入賞や下級生の活躍には驚かされた。賞候補の作品が多く、全体的に技術の高さが光った」と振り返った。
主な受賞者は以下の通り(敬称略)▽文部科学大臣賞・寺原ねね(1年)▽経済産業大臣賞・土居翔(3年)▽実行委員長賞・松本優紀(3年)▽優秀賞・高橋奈々(3年)▽特別審査委員長賞・山口耕平(3年)▽奨励賞・山門和奏子(3年)▽努力賞・米谷颯大(3年)/櫻井芽衣(2年)/池田利菜(2年)▽全国入選・高橋あかり(3年)/本田琴音(3年)他7人
AI時代への移ろい細密に
デザイン部門で経済産業大臣賞を獲得した3年生の土居翔さん(市内在住)の作品タイトルは「次世代」。AIをイメージした手のひらから、時と共に様々なものがこぼれ落ちていく様をアクリル絵の具で表現。時代が移り行く中で、自然や文化財などが残り、AIと共存する未来を創造し作品に込めた。
グラフィックデザインに興味があるという土居さんは「手のひらにのっている一つひとつを細密に描くことに力を入れた」と話した。高野教諭は「授業作品のなかでも画力は群を抜いていた。受賞は期待していたが、まさか上位とは」と評価した。
きらきらと輝く夏
イラスト部門で文部科学大臣賞に輝いた1年生の寺原ねねさん(市内在住)。季節で一番好きだという「夏」を題材に、きらきらとしたイメージを落とし込んだ。タイトルは「右手に夏」。学校近くの海岸から眺めた景色を背に、ひまわりや金魚など夏を象徴するアイテムをラムネの中に細やかに描いた。寺原さんは「入道雲や海、瓶のなかのモチーフを緻密に表現。近づいて見てもらいたい」と話した。高野教諭は「1年生での受賞は驚異的。描写力、集中力には感心。今後が楽しみ」と舌を巻いた。
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