横須賀市の上地克明市長は今月10日、2021年度の当初予算案を発表した。一般会計予算は1595億1千万円で前年比1・1%の伸率。主な歳出として、新型コロナウイルス予防接種事業など感染症対策に約35億円、中学校給食の開始に伴う運営経費として約7億円を計上した。会期中の市議会定例会で審議されている。
コロナ禍による経済的なダメージで市税収入は約49億円減少、過去最大の減収額となった。一方で、一般会計の財源不足を補てんする財政調整基金からの取崩しは、これまでで最も少ない38億5千万円に抑えた。財政運営は厳しさを増しているが、事務事業の点検を行うことで経費の圧縮に努め、経済回復に向けた財源を確保。上地市長は「仕掛けづくりと準備に積極的な投資を行う」と力を込めた。
上地市長は今年6月に選挙を控えるが、自身が掲げる「横須賀再興プラン」の総仕上げの年に位置付け、関連事業を推し進める。ただ、計画策定時の内容にこだわらない考えも示し、ICT技術などを積極的に取り入れることで職員の業務効率化を図り、市民サービスの向上につなげるとした。
【主な新規事業】
新しい生活様式への対応として、テレワークを推進。拠点設置経費の一部助成と推進セミナーを開催する。市内事業者の新たな事業展開に移動販売車(キッチンカー)の導入も支援。キッチンカーを集めたマルシェを開催する。
海を基点とした地域経済の活性化には、横須賀と北九州を結ぶフェリー航路の新設とポートセールスの推進。JAMSTEC設立50周年記念行事がある。新型コロナの影響で来年度の開催が中止となったウインドサーフィンワールドカップは代替イベントを津久井浜海岸で開き、マリンスポーツのまちづくりの機運を維持する。
歴史遺産の活用では、今年実施を見送った浦賀奉行所開設300周年の各事業をスライドして開催。3月に住友重機械工業から寄付を受ける予定の浦賀レンガドックは、活用に向けて必要な整備を行う。
新たなにぎわいづくりには、ソレイユの丘リニューアル、走水水源地の通年開放(10月予定)に向けた整備を行う。
![]() |
横須賀・三浦版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|