任期満了に伴う横須賀市長選(6月20日告示・27日投開票)に、市民団体「横須賀市民九条の会」共同代表の岸牧子氏(64)が今月16日、無所属で立候補する意思を表明した。告示日が迫る中、市民が関心を寄せる目立った政治争点がなく、低調ムードが漂っていたが、選挙が行われることになった。
公約に石炭火力発電所建設中止
野比在住の岸氏は、横須賀市産業交流プラザで出馬会見を開き、2023年の運転開始をめざして久里浜地区で建設が進んでいる石炭火力発電所の建設中止を公約に掲げると明言した。「現市長は脱炭素社会に向けて『ゼロカーボンシティ』を宣言しているが、石炭火力発電所の建設を止める動きをまったくしていない。怒りを感じている」と発言。米海軍基地や原子力空母の母港化問題も含め、国と自治体の従属関係が市民の安全・安心の暮らしを阻んでいるとした。
このほかに、日本国憲法とSDGsの理念を土台にした政策づくりを進めていると話し、近く発表する方針。新型コロナ対策としてPCR検査や抗体検査を拡充することや小・中学校の給食費無償化、ソーラシェアリングによるエネルギーの地産地消などを盛り込む。
岸氏は13年の横須賀市長選、19年の神奈川県知事選に立候補。ともに落選している。
今回の市長選をめぐっては現職の上地克明市長が、3月に再選をめざして立候補することを表明。自民党県連と公明党県本部の推薦を得ている。
狙いは有権者の関心喚起?
近づく市長選に有権者の関心を高めようと、政党や市議会議員がフォーラムや井戸端会議を開く動きもある。横須賀市政が抱える課題を参加者に伝えるとともに要望を聞き入れて立候補者に届ける狙いだ。
神奈川ネットワーク運動・横須賀は今月14日、ヴェルク横須賀で「市長選を話そう・考えよう」と題した会合を設けた。所属議員の小室卓重市議は「上地市長による積極投資でいくつもの大型事業が動き出したが、足元の市民サービスは向上したのか。財政調整基金の目減りも気になる」と問題提起を行った。小林伸行市議は、「『もっとこうしてほしい』を未来の市長に届けよう」をキャッチフレーズにしたミニ集会を今月15日からスタート。政策論争の必要性を訴えており、市内10カ所を巡回して意見集約を行い、政策案をまとめるという。
横須賀・三浦版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|