任期満了に伴う横須賀市長選(6月20日(日)告示、同27日(日)投開票)は、対立の構図がほぼ固まった。今月15日までに立候補を表明しているのは、現職で再選に挑む上地克明氏(67)と新人で2013年に同市長選で落選し、2度目のチャレンジとなる岸牧子氏(64)。2人による一騎打ちの公算が高まっている。両陣営ともすでに臨戦態勢の構えだが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、有権者への政策周知や支持の呼びかけに苦慮する姿がうかがえる。目立った政治争点がなく、盛り上がりに欠ける点も否めない。投票率にも影響を与えそうだ。
前回の市長選では、積極投資による停滞打破を「ヨコスカ復活!」のフレーズにして打ち出した上地氏が、現職を退けて初当選を果たした。上地氏は就任直後から公約に掲げた中学校完全給食の実施、小児医療費助成拡大、音楽・エンタメによる魅力発信の取り組みを矢継ぎ早に展開。横浜F・マリノスサッカーグラウンド誘致(JR久里浜駅近く)や追浜駅「地域密着型バスタ」計画の推進といった将来に希望を抱かせる施策を含め、地域の活性化に道筋をつけた。その一方で最大の懸案事項である人口減少は歯止めをかけることができていない。今月8日の市長定例会見で再選に向けた意欲を問われると、「まずはコロナ収束のために全力を尽くしていきたい」と述べ、公務を最優先する考えを示した。選挙期間中も街頭活動などは一切行わないという。
先月16日に会見を開いて、出馬表明した岸氏は、自身が代表を務めるグループ「つながろう横須賀」のメンバーを連れ立っての街頭活動やパンフレットの配布に余念がない。政策の1丁目一番地とする横須賀石炭火力発電所の建設中止は、反対運動を展開するグループや地元住民と連携して精力的に抗議活動を行っており、今回の市長選を通じて世論のうねりを起こしたい考えだ。このほかにジェンダー平等と多様性社会の実現や小・中学校給食の完全無償化、市役所の非正規雇用職員の段階的正規雇用化などを挙げている。近年社会問題に浮上している「生理貧困」に対する手立てとして、市内全学校のトイレに生理用品を完備する方針を打ち出すとともに、根底にある貧困家庭の増加に目を向けた政策づくりを行っていく。
市長選を政策論争の場と考える市議会議員の小林伸行氏は、市民の意見や要望を聞く公聴会を市内10カ所で開いた。ここでの意見を集約し、立候補者に届けて、政策に反映してもらうという。
6月1日時点の有権者数は33万8132人(男性16万7801人、女性17万331人)。前回の投票率は46・10%だった。
モアーズで「選挙割」期日前投票に特典付与
市長選の期日前投票所が開設される横須賀中央駅隣接の商業施設「横須賀モアーズシティ」では、6月21日(月)から26日(土)まで館内で投票を済ませた来店客に特典を付与する「選挙割」を実施する。投票率とテナント店の売り上げの向上をめざした取り組み。8階のフリースペースで投票を行い、発行される来場者証を実施店で提示すると割引などのサービスが受けられる。期日前投票は午前10時から午後7時30分。
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