横須賀市は6月定例議会の補正予算で「逗子市との共同によるイノシシ対策」を計上した。神奈川県内では県西地域を中心に生息が確認されているイノシシが、2013年ごろから三浦半島でも出現するようになっており、農作物への影響などを阻止するため、逗子市とともに捕獲事業に取り組む。
県内では、丹沢や箱根山地などでイノシシが多く生息しており、県は農作物や生活被害の対策を講じてきた。これまで個体が確認されていなかった三浦半島では、13年に二子山山系の葉山町や逗子市で捕獲されるようになり、その数は急増している。市内では田浦泉町などで痕跡が確認されており、家庭菜園などの作物被害が増加。市は一昨年度から予算を計上し、センサーカメラの設置など対策に乗り出していた。葉山町では、民間団体が町と協力して捕獲やパトロールを行っているが、逗子市はこれまで目撃情報はあったものの、被害を受けた専業農家がいないことなどから、具体的な動きはなかった。
「くくり罠」で捕獲
昨年度、横須賀市内で捕獲されたイノシシは13頭(逗子市は3頭)。大きな人的被害はないが、農業への影響や事故を未然に防ぐため、主な生息地がまたがっている両市で捕獲事業を拡大することにした。予算は「市町村共同事業助成金」の交付を受け、6月定例議会の補正予算で計上(両市合わせて344万4100円)。地域一体で対策を講じていく。
捕獲は、罠を踏むと足が括られる「くくり罠」を用いた手法で、今年度の捕獲目標は横須賀市20頭・逗子市10頭。地権者から罠の設置許可を得て、民間の専門事業者に委託し、見回りも行う。
イノシシは人の気配がする時間帯には活動せず、実態が分かりにくいという。市担当者は「捕獲は市民の安全を守るためのもの。被害が広がらないように対策を進めたい」と話している。市内では、西地区(長坂)でも痕跡が確認されており、従来の対策予算(136万2千円/県2分の1補助)はこの地域の対策に充当される。
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