田浦町在住のウインドサーファー、須長由季選手の挑戦が終わった。8月8日に閉幕した東京五輪「ウインドサーフィン女子RS:X級」で総合12位の結果だった。本人に今大会を振り返ってもらった。
新型コロナの影響で1年延期となった東京五輪。当初は練習に割ける時間を設けることができた、と前向きに捉えて準備を進めてきましたが、すぐに活動を継続するための資金難に直面。緊急事態宣言下でトレーニングの機会を奪われることも多々あり、ここまでたどりつくのは苦しい道のりがありました。
▼レースを総括
レース海面は相模湾江の島沖。第1レースのスタートラインに並んだ時は気持ちが高ぶり「よし、やってやるぞ!」の心境でした。
初日の3レース(17位─24位─11位)は、この時期の湘南ならではの軽い風(弱風)。体の大きい自分にとって得意ではない風域ですが、これを想定して1年間取り組んできたこともあり、次のレースに繋げられる順位に踏ん張ることができました。
2・3日目のレース(3位─5位─12位・11位─22位─10位)は、東海上に発生した台風の影響もあり、順風以上のコンディションが続き、海外選手と互角の走りができました。3レース目の最初のマークをトップで回航した時は最高の気分。「気持ちいい─」と心の中で絶叫しました。
最終日を前にして総合14位。メダルレース(決勝)はベスト10に入ることが条件であり、望みをつなげたい一心でした。残り3レースの最初を7位でフィニッシュ。余勢を駆って、猛チャージを仕掛けましたが、14位─17位の結果で先行する選手との差を詰めることができませんでした。トップ10をキープするには、もう一段二段のレベルアップが必要なことを痛感した一方、臆することなく思い切り挑んだことで自分なりの力を発揮することができました。
▼会場の雰囲気
セーリング競技の会場となった江の島も無観客。ウインドサーフィンの大会はワールドカップ規模でも観客はそう多くありません。普段と同じ感覚で緊張し過ぎることはなかったです。江の島は見慣れた景色、慣れ親しんだコンディションであっため、心理的に有利だったのは確か。他国の選手は新型コロナの影響で入国もギリギリ、調整も不十分な中で苦戦しているようでした。五輪の重圧に苦しむトップ選手も少なくなく、会場には特有のピリピリとした雰囲気が漂っていました。
▼五輪後の活動
この1年間、練習相手もなく、トレーニングはいつもひとり。海外遠征にも出られず心身をすり減らす日々で、とにかく苦しい競技活動でした。しばらくはリラックスしてウインドサーフィンを楽しみたい。肩の力を抜いて海や自然と戯れたいと思っています。
▼横須賀市民に感謝
皆様の応援の声は沢山届いていました。目標としていた入賞こそ逃したものの、最後の最後まであきらめずに戦い抜くことができました。今回を機に、ウインドサーフィンと須長由季に興味を持っていただけたら嬉しいです。ホームゲレンデの津久井浜海岸にいます。一緒にマリンスポーツを楽しみましょう。
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