コロナ禍を受けて、多くの企業はビジネスモデルの変革を迫られている。かといって経験のない異業種への参入はリスクが高い。「既存事業の知見とノウハウを活かし、隣の領域に攻め込む」。自動車部品製造の岡田電機工業は、現場作業をデータ化し、動作分析を行うことで生産性向上と働きやすい職場環境の整備を提案する新システムを開発した。ベテランと新人の作業の様子を動画で撮影するなどして動作や目線を追跡。これを可視化・分析して業務の標準マニュアルを作成する。現場スタッフが専用端末を使って部品の組み立てや検査に要した時間と成果を都度データ化していくことで、報告書や日報記入を省略。行動の見直しなどのアドバイスを的確に行うという。モノづくりの考え方やカイゼン手法を感覚的な言葉や精神論ではなく、データで示すことで業務の効率化や平準化を進める狙い。中小製造業や介護施設など様々な業種での導入を想定している。
同社では、以前から従業員の安全性確保や生産性向上のために工場の動線の効率化などに努めてきた。見学に訪れた同業他社などからアドバイスを求められることも少なくなく、これが商品開発の原点となった。加えて今回のシステム開発では「人」に着目。作業の基本となる「5W2H」(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、いくつ)をタイムリーに収集かつ分析し、業務改善のコンサルティングもセットにしてサービスを提供していく。
今、中小企業経営者を悩ませているのが最低賃金の上昇だ。神奈川県では2011年に836円だったものが、2021年現在で1040円と約24%アップしている。「雇用を維持しながら賃金引き上げを実現するには、生産性向上しか道はない」と岡田英城社長。経営者と従業員の双方にメリットを生む商品として販売に本腰を入れる。
【企業DATA】1968年創業/従業員数60人/三春町2の32/【電話】046・825・2288
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