横須賀市の「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)」が順調に推移している。過去2年間で6社から寄付を受け、総額は1億100万円。寄付金は「都市型スポーツ(アーバンスポーツ、eスポーツ)を活用した地域活性化事業」や「地域魅力向上のためのお土産開発支援事業」などの財源として活用されている。
「企業版ふるさと納税」は、全国で地方創生の取り組みを加速させるため、地方公共団体が行うプロジェクトに対して積極的に寄付できるよう2016年度の税制改正で創設された制度。国が「地方再生計画」として認定した事業に法人が寄付した場合、寄付額の約9割にあたる税が軽減されるほか、企業イメージ向上にもつながるといったメリットがある。
市では20年3月、地方創生プロジェクトの一つ「横須賀市まち・ひと・しごと創生推進事業」が国の認定を受けた。人口減少や高齢化、地域経済の停滞、地域コミュニティの希薄化などの課題解決ために、市は税の優遇措置を受けられる。
eスポーツ・新土産
市への寄付は、20年度に3千万円、21年度に7千100万円、6社から合わせて1億100万円に上っている。
寄付金を活用した事業例として、21年1月に信用金庫の中央組織である信金中央金庫(本社・東京都中央区)から受けた2千万円が挙げられる。横須賀に若者を呼び込むことを目的にBMX大会やeスポーツ大会の実施と、新たなご当地名産品を生み出すことで観光産業の活性化を図る、という2つの事業費に充てられており、前者をかながわ信用金庫、後者を湘南信用金庫が推薦。今年度には「YOKOSUKA e―Sports CUP」や「横須賀おみやげアイデアコンテスト2021」などが開催され、盛り上がりを見せた。
マリノス巡回、スポーツ教室
市は寄付で得た財源で、スポーツ振興施策にも力を入れていく。子どもたちに体を動かす楽しさを感じてもらおうと、(一社)F・マリノススポーツクラブとタッグを組み、1月から市内の小学校を巡るスポーツ教室をスタートさせている。3月末までに10校、計15回を実施する予定だ。
「人材育成パートナー」として、クラブに所属するU―18選手に英会話レッスンを行う(株)ECC(大阪市)が今月、市に600万円を寄付。横浜F・マリノスのホームタウンである横須賀での活動に賛同した形だ。
「ナイスシュート」。晴天に恵まれた2月17日、根岸小学校の校庭では6年生約80人がクラブコーチから、ドリブルやパスなどサッカーの基本を学びながら、ボールを追いかける姿があった。その後、学校側にボール10個などが贈られた。
児童らの前に立った横浜マリノス(株)の黒澤良二代表は「サッカーも勉強も自分自身で課題を見つけてチャレンジすることが大事」とあいさつ。上地克明市長も視察に訪れ、「子どもたちが伸び伸びと育つためにはスポーツが必要。コロナ禍など財政難の中で民間の力を借りられるのはありがたい」と話した。
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