映画監督・脚本家で3月11日に市内でドキュメンタリー映画を上映する 竹藤 恵一郎さん 芦名在住 60歳
「映像で伝える」探究心
○…落語家・林家かん平を追ったドキュメンタリー映画の監督を務めた。6年前の作品で、故郷の横須賀で初めての上映会を控えている。かん平を支える仲間から「本人を元気づけてほしい」と依頼を受けて手掛けた作品。「地元で公開できるのは嬉しい。多くの人に観てほしい」
○…中学時代、チャップリン作品のリバイバル版を両親と観に行ったのが映画の思い出の始まり。高校生になると大衆作品よりもフェリーニやベルイマンといった巨匠に傾倒。クラスで文化祭出品のために映画を撮っていたが、これとは別に「好きな監督のような作品を作ってみたい」と親戚から借りた8ミリカメラで撮影したのが「デビュー作」だ。そんな経験から早稲田大学ではシネマ研究会に所属。授業よりも制作や鑑賞に没頭する学生だった。高校時代、仲間内で小説を書いて読み合うこともあり、脚本家への憧れもあったが、在学中に制作したのは無声映画。著名コンペで入選するなど、自分の道を切り開いていった。
○…「早く監督になりたい」という思いながらも一旦は印刷会社に就職。数年後、サークルの同級生や先輩との縁から映画の世界に戻ってきた。深夜ドラマの脚本やオムニバス映画など活動ジャンルを広げ、中でも長く続けているのが都内のケーブルテレビ番組と教育映像。仕事に誇りを持つ市井の人々の横顔に触れた経験が、ドキュメンタリーを撮る視点にも繋がっている。
○…都内と自宅を行き来する日々だが、ある漫画をきっかけに、三浦半島のロケーションへの興味が深まった。猿島や油壺、雄大な自然の残る小網代―。発見や感激を共有するためのツールは映像。「いつか地元発の作品を撮ってみたい」。そんな思いを抱いている。
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