4月中旬になると11品種・約200本の藤が次々と花を付ける、阿部倉の横須賀しょうぶ園に、九州から藤の木7本が移植された。
「閉園になる公園の藤の引き取り手を探している」―。そんなしらせが舞い込んだのは昨年12月半ば。福岡市にあった「かしいかえんシルバニアガーデン(旧・香椎花園)」は開園から60年を超える「花の遊園地」だったが、昨年いっぱいで閉園となった。園内に残る花や低木は地元での里親募集のほか、団体・施設などへの承継が進めてられており、「分けてもらえるのであれば」としょうぶ園の指定管理者である「よこすかグリーパーク共同事業体」の横須賀緑化造園協同組合(長谷川泰啓代表理事)が手を挙げた。
海を渡って横須賀に
「かしいかえん」は昨年7月に横須賀港と航路でつながった北九州港から車で約1時間の場所。「フェリーで結ばれた縁を地域間の交流に」と、東京九州フェリー(株)の協力で海から運送することになった。同組合員は3月10日の夜に横須賀を出航、12日に現地で作業を進めて13日夜に戻った。陸路よりも運送時の風の影響が少ないというメリットもあったという。
同園では、しゃくなげ苑近くの高台に新たに3つの藤棚を用意。藤の移植は難しいと言われるが、「生命力のある植物。枯らせないよう丁寧に育てたい」と長谷川さん。樹齢は80〜100年近いものもあるという。藤棚で再び開花するには少し年月がかかるが、同園としても「藤の名所」として、さらに盛り上げたい考えだ。「フェリーがなければ移植は実現できなかった。かつての『かしいかえん』で花を楽しんだ人にも、ぜひ横須賀へ見に来てもらいたい」と期待を込めた。
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