横須賀・横浜地域を中心に介護事業を展開する株式会社スマイルが4月2日(土)、長井にイスラム教の礼拝所を併設した交流スペース「HARAPAN」をオープンする。同社は2020年3月からインドネシアの技能実習生を受け入れており、文化の異なる彼らの生活環境をサポートしながら、地域交流拠点として機能させていく。
介護業界では25年には約32万人の労働力が不足すると推計。技能実習生などの外国人材の受け入れが進んでいる。同社では一昨年、インドネシアから5人を迎え、それぞれデイサービス施設などに勤務している。
インドネシア人はイスラム教徒(ムスリム)が多く、1日5回の礼拝が欠かせない。実習生が働く施設では、礼拝スペースを設けるなど柔軟に対応しているが、集団での礼拝を重視する時間や曜日もある。近年、空港や商業施設に「ムショラ」と呼ばれる小さな礼拝所が設けられるケースが増えているが、市内にはないという。また、戒律により豚肉や酒など食べられない食品があるが、市内でインドネシア料理を専門に提供する店舗はなく、現地の食材やハラルフードを扱う店も数軒ほど。代用できる食品を探しながら自炊をしているという。「彼らは介護人材として良質なサービス提供に欠かせない存在。今後も受け入れを進めていく中で、仕事場以外の居場所、日本での暮らしをサポートする重要性を感じた」と同社人事部の亀割貴志さんは話す。
介護の情報交換も
施設は飲食店だった店舗(旧さがみ亭/長井1の12の15)を改装した。開設にあたっては、実習生の要望も取り入れ、室内の礼拝スペースの隣には、手と足を清めるための専用シャワーブースを用意。食材や調味料・雑貨の販売スペースも設けており、今後はインドネシア料理の提供も考えている。施設名の「HARAPAN」とはインドネシア語で「希望」という意味。「実習生だけでなく介護事業者にも貸しスペースやリモート拠点、情報交換の場として活用してほしい。多様な外国人材の情報共有、学びの場になれば」と同社。開所は当面不定期だが、早朝の礼拝にも対応していくという。
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