横須賀市は、新素材開発ベンチャー企業の株式会社TBM(東京都)と連携し、4月から施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」 (プラ新法)に対応する回収や再生利用の取り組みを発表した。プラ新法に関わる自治体と企業の連携は全国初。神明町で建設中の同社のリサイクルプラントが稼働する今秋から、モデル地区で実証実験を始め、市民への啓発活動を行いながら、来年度には市内全域で展開する。
「ゼロカーボンシティ」を昨年1月に宣言し、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを掲げる横須賀市。TBMとの連携で、廃棄物を製品原料として再利用する「マテリアルリサイクル」に乗り出す。同社が開発・製造販売する石灰石を主原料とした新素材「LIMEX(ライメックス)」を用いた使用済み製品や廃プラスチックを回収、自動選別・再生する国内最大級のリサイクルプラントを神明町で今秋稼働。家庭から排出される容器包装プラスチック、製品プラスチック、LIMEX製品の一括収集、資源化・再商品化を推進する。これにより約5400トン/年の二酸化炭素排出量の削減効果が見込めるという。
モデル地区で実証実験
LIMEX素材はプラスチック製品や紙代替品の製造における石油、水、森林資源などの保全に貢献できることから、8千以上の企業や自治体が採用する。
市も先ごろ創刊したアートによる環境啓発フリーペーパー「生命あるものは美しい“The Beauty of Life”」を始め、冊子、広報ポスター、チラシ、名刺などでLIMEX製品の活用を検討。市役所本庁舎や各行政センターに回収ボックスを設置し、リサイクルを推進する。
また、資源循環教育の普及啓発も実施。プラント見学や小中学校への出前授業、ごみトーク、SNSなどを通じて、取り組みや製品の市民認知度を高める。上地克明市長は「地球規模の環境問題、ゼロカーボンの実現に向けて、市としてどの自治体よりも先駆的に取り組んでいきたい」と市民へ協力を呼びかけた。
今秋からリサイクルの実証実験を予定し、現在モデル地区を選定中。23年度には市内全域に取り組みを広げていく。
国内最大工場が今秋稼働
リサイクルプラントの建設地は、昨年閉鎖した「くりはま花の国パークゴルフ場」跡地(神明町58の8)。敷地面積は約1万3700平方メートル、建物床面積は約7900平方メートル。隣接する東邦電線工業(株)が1997年に所有地を市に無償で貸し出し、パークゴルフ場として利用。土地賃貸借契約満了で返還された。
建物は同社が建設し、TBMに貸借。計画では、年4万トンの廃プラを受け入れ、2万4000トンの再生プラ製品を生産するという。
![]() 建設が進む工場
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