横須賀市の上地克明市長は8月25日、「うわまち病院」(上町2の36)移転後の跡地活用について、医療・看護系大学の誘致を進めていることを公表した。約4万平方メートルある敷地の中で、建物として比較的新しい南館を校舎として転用してもらう。本館や市立看護専門学校等の建物は老朽化が進んでいることから解体して更地化する考え。地域住民や事業者に対して、利活用に向けたヒアリングを行う。
誘致交渉を進めている相手先について、この日の会見で上地市長は明言を避けたが、昨年8月に医療関係の法人から進出の打診を受け、検討を進めてきたことを明かした。築16年の南館の利用を前提としており、生徒数400人程度の規模の学校を見込んでいるという。現在、同病院敷地内に開設している市立看護専門学校との関係については、統合を含めた調整を図っていくとした。
同病院の移転は2025年3月を予定。建物の解体は翌年度から着手し、2年程度の工期を見込んでいることから、大学の開学はそれ以降になるとみられる。
本館エリアは、医療・福祉施設、店舗、住宅など地域活性に資する活用を検討していくが、敷地内の急傾斜地がレッドゾーンに指定されているため、建築などで一部制約を受けることになる。
地元での受け止めはどうか。18年8月に市から同病院が神明町に移転する方針が示されて以降、上町エリアでは地域の空洞化を懸念する声が強まっていた。今回の発表でまちの活力維持に向けて一定の方向性が示された格好だ。
同病院のおひざ元である上町商店街連合会の高梨治会長は「市が地域の意向を汲んでくれた。若い世代が集まる拠点が誕生することで希望が持てる」と大学誘致に歓迎姿勢。「事業承継や店舗の建て替えに躊躇していた人たちもこれで動き出せる」と笑顔で話した。
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