久里浜を拠点にインクルーシブ学童などを運営している一般社団法人「sukasuka-ippo(すかすかいっぽ/五本木愛代表)」が10月から中学生・高校生に特化した進路支援型の放課後等デイサービスを開所する。就職や進学など自立に繋げるプログラムを用意するほか、横須賀商工会議所と連携して、就労先のバックアップも行っていく。
「放課後等デイサービス」は、障害や発達特性のある6歳から18歳までを対象とした福祉サービス。療育と居場所の機能を備えており、主に放課後や学校休業日に通うことができる。横須賀市内でも民間の「放課後デイ」が増えており、その背景には、支援の必要な子どもの増加がある。ここ数年、市立小中の児童生徒数の総数に変動はない中で、支援級の数は右肩上がりとなっている。
居場所と自立支援
放課後デイの対象者は18歳までとなっているが、「利用者の大半は小学生で中学・高校生は通いづらく、辞めざるを得ない・放課後の居場所がないという家庭も多い」と五本木代表。これらの生徒は、高校や高等部を卒業後、福祉就労先や障害者雇用枠での就職などが想定されるが、働く上でのスキルを習得する期間が短いなど、不安も抱えている。「学校とは異なる社会生活への準備が必要で、個々の状況に合わせた『自立』へのサポートが欠かせない」と話す。
そこで同法人では、この受け皿として10月から中高生対象”進路支援型”の放課後デイ「one step」を立ち上げる。概ね6年間かけて、就労訓練の準備に当てるほか、特性の見極めやそれに応じた学習支援、ソーシャルスキルトレーニング、久里浜商店街でのボランティア実習なども取り入れていく。
障害者雇用の現状
この動きには、企業側の課題もある。国の障害者雇用促進法の改正で、すべての事業主が障害者を一定の割合で雇用しなければならないが、受け入れの知識や経験が乏しく、マッチングが難しい、定着率が低い―などの現状がある。同法人では、市内の企業に対して支援のノウハウや人材育成などに関する講習会を開いていくほか、放課後デイ生徒の職場体験などを通して事業者との関係性を深めていく考えだ。
同法人では横須賀商工会議所と連携事業「よこすかテレワーク」を進めており、市内企業の仕事と人材のマッチングも強み。放課後デイ事業でも商議所と連携し、支援が必要な人の就労先確保や安定雇用の仕組みを作っていく。
開設場所は久里浜4の12の2の3階、9月19日(月)・21日(水)にZoomによる説明会を実施。問い合わせは【電話】046・876・6479
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