横須賀市と(一社)F・マリノススポーツクラブは、サッカーグラウンドなどの人工芝のゴミ(人工芝片)を新たなスポーツ用品にアップサイクルする新たな協働事業「SHIBA-Up」を開始した。市の循環型社会推進施策の一環で、作られたマーカーコーンは公共施設や学校などで使用されるという。
事業化のきっかけとなったのは、同クラブが昨夏、育成組織の選手を対象に行った環境問題に関する特別授業だった。
テーマは、昨今深刻化している「マイクロプラスチック」と呼ばれる大きさが5ミリ以下の微細なプラスチックごみによる海洋汚染について。(一社)ピリカの実態調査によると、水路などから流出したマイクロプラスチックの約20%が、紫外線や経年劣化などでちぎれた人工芝片だったことが確認されており、「サッカーをすることでごみを発生させていたと初めて知った」と、クラブ代表理事の宮本功さんは振り返る。
また、マリノスのホームタウンである横須賀市は「海洋都市横須賀」を掲げ、2020年に「海洋プラスチックごみ対策アクション宣言」を表明。こうした背景もあり、スポーツの現場から新しい循環型社会の実現をめざす取り組み「SHIBA-Up」をスタートさせた。
同プロジェクトは、グラウンド整備の際に人工芝片を回収、(株)TBMが選別・ペレット化して、スポーツ用品メーカーの(株)モルテンがマーカーコーンに製品化=右写真。その後、公共施設や学校施設等で使用し、海洋環境保全などを啓発していく。財源は化粧品や服飾雑貨などの企画販売を行う粧美堂株式会社から市に対する企業版ふるさと納税500万円が当てられ、製品化のノウハウなどはピリカが提供する。上地克明市長は「海洋プラごみ問題の解決に向けた大きな一歩になる」と歓迎。市とマリノススポーツクラブは今後も企業版ふるさと納税を活用した巡回スポーツ事業などにも取り組んでいくとしている。
10月6日には横須賀リーフスタジアムで発表会を実施。実際に人工芝の破片を手作業で拾い集めると、その多さに関係者からは驚きの声が上がっていた。
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