異なる流派の日本舞踊の”男性舞踊家”集団「弧の会」。先人より脈々と継承されてきた「日舞」の素晴らしさを伝えたい、と1998年に結成、「コノカイズム」と題した舞台を国内各地で公演している。その特徴は、黒紋付袴を纏った姿での素踊りや力強い群舞。華やかな舞いに跳ぶ・跳ねる・側転…を交えたエネルギッシュかつ斬新な踊りの表現で注目されている。
横須賀での初公演となる「コノカイズム」は1月7日(土)、よこすか芸術劇場で新春の幕開け。「弧の会」メンバーとして舞台に上がるのが、公郷町在住の西川扇衛仁さん(49)だ。
日舞は6歳から
祖母は「民踊(みんよう)(民謡舞踊)」房静流の流祖。そんな環境もあり、物心ついた時には稽古場で踊っていた。初舞台は4歳。「稽古も楽しくて、見てもらうのが嬉しかった」という少年は、祖母の勧めで6歳で日本舞踊の西川流の門を叩いた。「生活の中に”踊り”があった」。中高時代も師匠のもとに通い「その道を追求したい」と日本大学芸術学部に進学し、日本舞踊を専攻。「踊りの好きな人に囲まれて、これを継いでいく目標ができた」。卒業後、二代目家元「須藤房静」を襲名し、民踊と日本舞踊で、現在は約250人の弟子を抱えている。
「弧の会」を知ったのは、最初は観客として。「御柱祭」の迫力ある踊りに圧倒された。メンバー増強で声を掛けられたのが06年のこと。「各流派の第一線で活躍している舞踊家が集まっている。斬新な視点があり、プロとしての研鑽の場」。個人では表現しきれない舞踊の身体表現を、シンプルな装いでどのように”魅せて”いくのか。意見を交わしながら作り上げている。
横須賀で演じる「御柱祭」
芸術劇場での演目は、新年の節目に五穀豊穣と疫病退散を祈る「若獅子」、酒と餅・大根が互いの自慢話で争うコミカルな演目「酒餅合戦」、そして同会の代表作「御柱祭」。横須賀にも縁のある御柱を題材にした作品で、賑々しく舞台を舞い踊る。
日舞の技と想いを次世代に伝えるべく、ジュニア育成のプロジェクトにも携わる。「弧の会の活動と『コノカイズム』を通して、その奥深さを”見て楽しんで”ほしい」
![]() シンプルかつアクロバティックな「身体表現」で日舞の可能性に挑む「弧の会」。1月7日の公演は午後3時開演。着物での来場で粗品の進呈も。チケット詳細は同劇場【電話】046-823-9999
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