「総合的な学習の時間」で、昨年から三浦一族について理解を深めてきた大矢部小学校6年2組。演劇創作を通してこれまでの学びの集大成を披露しようと、1月16日に同校体育館で発表会を行った。
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源頼朝による源氏再興に向けた挙兵から石橋山合戦に敗れて安房国(房総半島)に逃れるまでの物語「鎌倉時代の幕開け〜源頼朝と三浦一族〜」。衣笠合戦の様子や一族繁栄と鎌倉幕府創建を願って散った三浦大介義明なども描かれた短編劇だ。
脚本は出前授業の講師として、子どもたちに三浦一族の歴史を伝えてきた歴史&山城ナビゲーターの山城ガールむつみさんが務め、クラス約30人で一丸となって1つの作品を作り上げた。およそ20分の上演が終わると、学校関係者から大きな拍手が送られた。
児童主体の学び
「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が盛り上がりを見せていたこともあり、タイムリーに地元の歴史について学べるのでは」-。担任の石渡知世教諭が、三浦一族を総合的な学習の時間のテーマに決めたのは昨年5月頃。身近な郷土史とはいえ、当初は関心が薄く、授業にも受動的な児童がほとんどだったが、近くの満昌寺や近殿(ちかた)神社などで「三浦一族ゆかりの地」と書かれた幟を見かけるようになると一変。興味を持って放課後や休日に旧跡を自主的にめぐる動きも見られたという。「『先生、この人のイベント面白そうだよ。行けたらいいのに』と子どもたちがインターネットで探してきたのが、むつみさん。ちょうど講師を探していた時で、市文化振興課を介して快諾をもらえ、実現できた」と石渡教諭。授業ではおもに地図や歴史冊子を用いて、あらましなどを学んだという。
さらに、自分たちが得た知識を周囲に発表・発信することで学習のまとめにしようと、演劇創作を決定。配役オーディションから小道具制作、ステージ構成、BGMなどのアイデアを出し合い、むつみさん作の脚本の理解をより深めようと実際に衣笠城址を訪ね、足跡をたどるなどした。
また、劇中で着用した甲冑は趣旨に賛同した衣笠行政センターなどから借り受けた。衣笠商店街での大河ドラマ関連イベントなどで使用されたもので、石渡教諭は「地域の皆さんの協力のおかげ」と謝辞を述べた。
「地域に誇り持った」
これまでの学習を振り返って、「普段見ている景色にはすごい歴史があるのだと知った。大矢部がもっと好きになった」と三浦義澄役の八田井明紗さん。和田義盛を演じた並木梨桜さんも「歴史は苦手だったけれど、大矢部に誇りを持つことができた」と笑顔を見せた。これで同クラスの三浦一族に関する学習は一区切りとなるが、「この先も大矢部小の6年生に演じてもらい、歴史を繋いでもらえたらうれしい」と児童らは口々に話していた。
むつみさんは授業の総括で、「子どもたちは自主的に興味を持って調べ、取り組んでくれた」と賞賛。「この経験がいい思い出として残り、郷土愛醸成にも繋がれば」と話していた。
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