ダンスや音楽、朗読、映画の融合アートイベント「ひとりで進め」を主催する 三浦 桃実(としる)さん 長沢在住 29歳
表現の意味を追い求める
○…ジャンル横断で表現を通じて市民芸術を高める試みに挑む。舞台上でアーティストたちが独自のパフォーマンスを披露するが、ゴール設定はない。唯一のテーマは、インドの詩人、タゴールの言葉でイベントのタイトルにも選んだ「ひとりで進め」。「独立した表現者がそれぞれ表現したいものに向かって進み、この日の舞台で交錯する」。きらめきの瞬間を客席と共有していく。
○…今回のイベントで手掛けるパートはダンス。主宰する「スタジオ◎きのこ」は、年齢も性別も障がいの有無も垣根なしのグループ。振り付けや表現方法に決まりのないコンテンポラリーダンスを柱に朗読や演劇的要素を組み合わせて「宇宙のファンタジー」と題した舞台を届ける。それぞれの頭の中にある宇宙のイメージは異なる。「他者にはわからない。わかろうとしても到底できないが、伝えないではつまらない。踊ったらわかりあえるかも」。表現の意味をそこに見出す。
○…県立保健福祉大で学び、市内の病院に看護師として勤務していたが、ダンスの道を究めたいと一本に絞った。「仕事があってダンスがある生活。サブの活動は永遠にサブでしかない」。職業としてのダンスは覚悟の選択。プロを志願して努力を重ねていたが、障がい者と一緒に踊るイベントに参加したのを機に、「その人らしさを表現できる」ダンスの本質に気が付いた。
○…「ひとりで進め」のメンバーの解釈は様々だ。「社会は協力で成り立つが、一人で進まなければならない場面もある」「足だけでなく、心も前を向かなくては前進しない」。意見の一致は求めないが、考え方を知りたい。言葉にできないことは表現で感じ取りたい。ダンスはその手段の一つなのだ。
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