「畑から生まれた、地球と人に優しい四季折々の”エコせっけん”はいかが」--。
長井にある「はらくら農園」では、廃棄される規格外野菜などを活用した「農家がつくった野菜せっけん」を製造販売している。フードロス削減を原点に、パッケージのプラスチックフリーや自然由来の素材を使うことで水質汚染防止に寄与。生産から消費まで一貫したモノづくりに取り組んでいる。
”もったいないせっけん”の生みの親は原田憂子さん。祖父母の代から続く農家に嫁ぎ、廃棄される野菜の多さに衝撃を受けた。大きさ、形、傷、色など基準から少しでも外れたら規格外という農業の現実。「自宅で消費したり、知人に分けたり。それでも限界はある」。原田さんは当初、加工食品製造による利活用を考えていたが、趣味で通っていた手作りせっけん教室の講師のアドバイスから野菜せっけんの着想を得た。
すぐさま試作に着手し、使い心地、香り、色などの改良を重ねた末に「キャベツせっけん」が誕生。よこすか葉山農協にかけ合って、2021年1月から地元直売所「すかなごっそ」での販売をスタートさせた。
販路拡大の契機となったのは、食品や日用品の量り売り店「エコルシェ5302」(日の出町)を運営する神馬彩夏さんとの出会い。この商品を知った神馬さんから「取り扱いたい」とのオファーを受けて、22年3月から委託販売を始めた。親交を深める中で、それまでビニールだった包装を「紙に変えてはどうか」というアイデアを受けて薬包紙に変更。ごみを極力出さない「ゼロウェイスト」のコンセプトや排水の環境負荷が小さいという特性に賛同する人たちがファンとなり、リピーターを増やしていった。
ライフスタイルに変化
使用する材料はダイコン、ミカン、米ぬか、荒崎ひじき、酒粕、どくだみ、はちみつ、梅酢など-。「まるでお菓子を作るよう」。野菜の絞り汁、オリーブオイル、苛性ソーダ、アロマオイルなどを混ぜ合わせたものを型に流し入れ、熱を加えずにじっくりと熟成させるコールドプロセス製法で、完成まで約2カ月。手間と時間はかかるが、植物性の油脂が持つグリセリンなどを含有するため、保湿効果が高いのも人気の秘訣だという。「私は顔、髪、全身これ1つ。食器洗いは自家製キッチンソープを使うことで手荒れしにくくなり、シャンプーや合成洗剤をほとんど買わなくなったのでプラごみが減った」と自身の生活の変化を語る。
原田さんは「せっけん作りに活用できる野菜の量はほんの一部だが、農業の現状や環境に意識を向けるきっかけになったら」と期待を込めた。
1個税込700円(キッチンソープ500円)、すなかごっそ、エコルシェ5302、one drop cafe、ヒマラヤンベーカリーほかで販売中。詳細はインスタグラム「@haraduco」で検索。
(公財)日弁連交通事故相談センター神奈川県支部交通事故に関わる弁護士による無料相談など https://www.kanaben.or.jp/consult/by_content/consult25/index.html |
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