全国的に低下傾向にある町内会・自治会の加入率。横須賀市内では2022年4月時点で81・3%が加入し、18年からの4年間で1・8%減少していることがわかった。8月30日に行われた市議会定例会の西郷宗範市議(自民党)の一般質問に答えたもの。県内自治体の中では高水準にあるが、若い世代や転居者の取り込みが課題となっており、市は多世代の加入促進をめざし検討を重ねている。
市内にある町内会・自治会の数は約360で、加入率は2012年から80%台で推移している。自治体規模が近い県内10市の平均(同時期)は4%減の68・7%。比べて横須賀市は高い加入率を維持しているが、一般質問で答弁に立った上地克明市長は「ここで何か手を打たないとさらなる低下を招く恐れがある」と危機感を募らせた。
「若い人たちの中には加入する意義を見いだせない住民も増えつつあると感じている」とも言及。市福祉こども部が18歳以上の市民3千人に実施した地域福祉に関するアンケート(7月時点)によると、「町内会・自治会に加入していない」と答えた約18%が、その理由について「メリットを感じない、加入方法がわからない、会費がかかる、わずらわしい」-と挙げており、関心の希薄化が課題となっている。
歯止めの一手を検討
市は加入促進を目的に、活動内容や加入方法などを記載したチラシを転入手続時に配布。15年からは市と連合町内会と連携協定を結ぶ不動産仲介事業者団体の加盟店が、来店者や転居者に案内を渡して周知を図るなど対策を講じているが、増加には至っていない。
そうした背景を受けて22年度から地域支援部若手職員が町内会・自治会加入のメリットとデメリットを考えるワーキンググループを結成。加入意義を見いだせない人たちに価値を理解してもらえるよう、内容や発信方法など客観的な視点で検討しているという。
横浜市磯子区では、マンション自治会の役員に中学生が立候補したことで、若者や子育て世代なども自治会運営に積極的に参加するようになった事例を挙げて、西郷市議は「担い手確保にはダイバーシティ(多様性)を考慮する必要がある」と述べ、世代や性別問わず参加しやすいコミュニティーづくりを訴えた。
横須賀・三浦版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|