発達障がい者の就労の環境整備に向けクラウドファンディングに取り組む 藤堂 曜平さん 野比在住 39歳
ビールで結ぶ人とまち
○…「軽度だからこそ生きづらい」。見た目や言動では周囲から理解されにくい軽度の発達障がい。自身と同じように一般社会での居心地の悪さを感じる人たちがのびのびと働ける職場環境作りに向けクラウドファンディングに挑戦している。
○…野比の「法龍山 最光寺」で生まれ幼少期を過ごす。高校中退後は専門学校で醸造について学んだ。その後日本各地のワイナリーや酒蔵で酒についての知識を蓄えた。自身が発達障がいであると知ったのは都内の飲食店で従事した経験から。少人数で密な環境が発端となり、人間関係に悩んだことに起因する。心無い言葉をかけられたこともあったが実際に体験したからこそ、同じ「個性」を持つ人が周囲を気にせず働ける職場環境を作ろうと決心できた。クリエイティブな面で強みを発揮する人もいる発達障がい。「そんな人たちの受け皿になれたら」と同じ特性を持つ人へ視線を向ける。
○…活動の第一歩は久里浜商店街の一角で「寺(じ)ビール」と名付けたクラフトビールを醸造販売する「法龍山麦酒」。今年4月にオープンした同店の従業員には、発達障がいの子どもを持つ母親の姿もある。「家族の方にも自由に働いてもらいたい」と当事者だけでなく、関わりがある人の働き口としても門戸を開く。
○…横須賀市の人口減少を憂い、「クラフトビールが新たな観光資源になれば」と地元愛を膨らませ、目を輝かせる。クラウドファンディングで目指す醸造所では、店舗オープン時は資金不足により断念した「薬膳ビール」の開発で地域の新しい魅力創出につなげる。どんな人でも特性を活かし働ける環境のモデルケースとなるため、今後も奔走する。
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