"海の隼"をあるく 〜按針が見たニッポン〜22 宇都宮編(3)作・藤野浩章
宇都宮二荒山(ふたあらやま)神社の小高い山から、西側へ向かう坂道を下る。さっきまでの喧騒が嘘のように、誰も歩いていない道だ。その途中に、ひっそりと佇む祠(ほこら)がある。細い階段下にある看板には「東照宮」の文字。ここにも、家康を祀る施設があったのだ。
小山(おやま)、宇都宮、そして日光。このエリアは、日本の覇者となった家康伝説の「聖地」として、幕府がひときわ力を入れて整備した。史実も虚構も取り交ぜた神君家康の「レジェンドストーリー」こそが、歴代将軍に必要だったわけだ。
さて、1600年秋の小山。当時の家康の関心事と言えば、西で挙兵した石田三成はもちろん、北の上杉景勝、すでに小山を出た豊臣恩顧の大名たちの動きなど、胃がキリキリするような日々だったろう。しかしその状況を一変させる最新兵器が手中にある。もちろ
ん、アダムスの大砲だ。これを実戦で確かめておきたいというのは、自然な流れではないだろうか。だからこそ、小山滞在中に宇都宮へ向かい、北へ放たれる大砲の威力を直に確認したとしてもおかしくはない。
宇都宮で上杉軍の南下を完全に阻止したのを見て、家康は江戸へ帰る。そして半月遅れでアダムスも江戸へ戻ると、そこにはリーフデ号の仲間であるヘルツゾーンとヨーステンの姿は無く、直前に10門の大砲とともに徳川秀忠率いる本軍と西へ向かったのだという。
事態が切迫する中、アダムスは久しぶりに家康と対面する。"初陣"を経て自信を深めた男と、天下人に王手をかけた男の絆が、劇的に深まる瞬間を迎えるのだ。
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