革新的・創造的なビジネスに挑む女性を表彰する「第22回女性起業家大賞」のグロース部門奨励賞に、「(一社)sukasuka(すかすか)-ippo(いっぽ)」代表理事の五本木愛さんが横須賀市内で初選出された。久里浜を拠点に展開する障害福祉事業や横須賀商工会議所・行政・企業との地域連携などが評価された。
国内2万人超の女性経営者で組織する全国商工会議所女性会連合会が主催し、女性視点で創業や事業経営を成功させた起業家を顕彰する同大賞。五本木さんは創業5年以上10年未満を対象にしたグロース部門で表彰され、「既存事業に力を入れながら新たな分野にも挑戦したい」と喜んだ。
地域で生きる”一歩”
自身を含めた障害児を育てる母親たちとともにバリアフリー子育て情報サイトを立ち上げ、2017年に法人を設立。同年、横須賀商工会議所と連携して「よこすかテレワーク」事業をスタートさせた。隙間時間に在宅で働きたい母親と業務効率化を図りたい事業者を繋ぐ体制を構築し、ライフスタイルに合った働き方を提案する。翌年以降は障害の有無を問わないインクルーシブ学童「sukasuka-kids」をはじめ、バリアフリー美容室、未就学児の一時預かり保育事業所を久里浜商店街内に次々と開設していった。
また、支援が必要な中学生などの放課後の居場所を兼ねた学習支援のほか、昨年には中高生対象の”進路支援型”放課後デイ「one step」を開所。地元企業での職場体験による生徒の就労支援、障害者雇用の促進を目的としたキャリアサポートを同商議所と共同で実施する。職場体験の第一弾は、かながわ信用金庫やトライアングル、湘南衣笠ゴルフが受け入れ、体験を終えた生徒にスキルの習得や体験内容の達成度に応じたキャリア認定証が手渡された。
こうした取り組みをメディアやSNSなどで知って視察に訪れる人もいると言い、「ロールモデルになれば。そのためにも横須賀でさらに根付かせたい」と意気込む。
「切れ目ない支援を」
事業のゴールを「障害児者やその家族が地域で安心して暮らせる環境を整えること」と語る五本木さん。一生涯、切れ目のない支援をめざし、医療的ケア児対応の放課後等デイサービス、生活介護事業所、障害児者を持つ親や家族の一時的休息(レスパイト)のための短期入所事業所の開設に向けた準備を進めるほか、長期的な目標に就労移行支援事業も挙げる。
とくにレスパイトケアは喫緊の課題で、「現在市内に受けられる場所が1軒もなく、利用者は市外の施設に頼らざるを得ない状況」。奨励賞という形でこれまでの取り組みが認められ、「今後への明るい兆しにもなる」と笑顔を見せた。
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