横須賀市立小中学の適正配置をめぐり、市教育委員会の諮問機関がが示した走水小学校区を馬堀小学校区に編入する方策案に対して、地域住民や保護者でつくる「走水小学校を想う会」は1月9日、同校の存続を求める署名3495筆を市教委に提出した。地域の意見集約ができていない中で、編入が既定路線化していくことを防ぐ狙い。「小規模特別認定校制度」の導入を要望している。(1月9日起稿)
小規模特認校導入を要望
署名は同月11日の教育委員会定例会議で走水小の扱いについて議案が提出されることに対するけん制だ。同会の曽與島正会長は、「児童と保護者、地域住民への事前説明が不足しており、十分な意見集約ができていない。『横須賀市子どもの権利を守る条例』の観点を踏まえた検討もなく、方策決定は時期尚早」との考え。防災拠点でもある小学校は地域を支える重要な役割を担っており、域内の活力低下も懸念している。
その一方、全校生徒が31人で1、2年生は同一学級を2学年で編成する「複式学級」で授業が行われている状況も理解。同会では学区を問わず多くの学童に開かれた学校として少人数ならではの特別学習を行う「小規模特別認定校」となって存続していくことを求めている。
昨年12月には請願も提出しているが、市教委は、(小規模特別認定校は)通学区域の見直しや隣接校との統合では解決できない場合の方策であり、通学に多大な時間を要するなどの条件には該当しないとの見解を示している。
市教委への署名提出に合わせて同会では、4年生の児童が自校への愛着をまとめた作文を朗読した動画も用意。伝統である海浜水泳の活動や学年の枠を超えた交流の利点など、当事者の声も届けた。
「不登校の受け皿」求める声も
不登校児童・生徒の受け皿づくりをめざす有志グループ「横須賀学びの多様性学校プロジェクト」は、走水小の施設と機能を活かして文部科学省が認めている「学びの多様化学校」(不登校特例校)の設置をめざす運動を展開していく。1月7日に大津コミセンでキックオフミーティングを開き、不登校児童・生徒を抱える保護者など10人が集まった。情報収集活動と賛同者集めを同時に進めながら横須賀市教育委員会や関係機関に働き掛けていく考え。
特例校は1学年10人程度の少人数制で、授業時間や指導内容を柔軟に設定することができる。ただ全国でも設置は公立私立を合わせて24校しかない。同グループのメンバーは「市内に不登校状態の子どもが1千人も存在している。学びの多様性の確保が急がれており、設置の可能性を追求したい」と話した。
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