「読み聞かせ」先生のせんせい
蒸気機関車を模した送迎バスが人目を引く聖佳幼稚園(坂本町1の29)に勤務する現役教諭だ。園が掲げるキリスト教を下敷きにした「人を思いやる心・ありがとうの感謝の心」を遊びの中で身に付ける教育理念の体現者として、園児だけでなく”先生のせんせい”として影響を与えている。
幼児教育歴、半世紀超の大ベテラン。現在もフルタイムに近い勤務形態で、若い担任教諭のサポート役を務めている。「子どもの社会性を育むために異年齢の交流がとても大切になる」と同園の石塚薫子園長が話すように、核家族化が進み家庭内で年配者と子どもが関わる機会が減少している中で深谷さんは貴重な存在だ。
福岡県から大学進学を機に上京。「テレビ・ラジオ局のアナウンサーを志望して発声方法や表現力を磨いたが、夢は叶わなかった」と深谷さん。だが、この時の経験が図らずも幼児教育の現場で活きた。
園児を創造力の世界に誘う絵本の読み聞かせだ。登場人物に合わせた声色の使い分けや抑揚など、一瞬で注目を集めて気持ちをぐっと惹きつける。取材で訪れたこの日も園児らにせがまれてページを開き始めた。タブレット端末で観る動画などとは異なる魅力を提供している。
バスに乗って自分の足で出勤している。気ままに自由な時間を過ごす選択肢もあるが、「自分の膝の上にのってきてくれる」園児の愛らしい振る舞いにかけがえのない幸せを感じるという。卒園生の子どもが通うケースもざらで、3世代に関わったこともあり、「自分のそばにずっと孫がい続けている感覚」。折り紙に紙芝居、手遊びの指導法など若い教諭から頼られる責任感も心地よい。これが継続のモチベーション。元気の源なのだ。
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