不登校やひきこもり支援を行う認定NPO法人「アンガージュマン・よこすか」理事長の島田徳隆さんが、初の著書「保護者・教員・支援者のための 不登校の手帖」(発行/びーんずネット)を3月15日に出版した。不登校の子どもに対する理解を深め、接し方のヒントを多数掲載。島田さんは「悩む人の心をほぐす1冊になれば」と話している。
同著は3章立て。1章の「不登校歳時記」は、入学式や夏休み、修学旅行といった学校の年間行事に沿って紹介。子どもの意思を尊重し、親も疲れた時は無理せず休むことなどを説いている。
続く2章は「お役立ち情報と進路のあれこれ」と題し、子どもの成長にあわせて保護者らが直面する進学や就職、社会参加、学校復帰などの悩みについて掲載。「焦りや不安でキャパシティーがいっぱいになると必要な情報が入りにくい。一大事と思った時に一呼吸置けるよう、気になるキーワードだけでも読める仕立てにした」
また、ページの半分を占める3章は対談形式で展開。「居場所」や「見守り」などをテーマに、アンガージュマンに通っていた不登校元当事者やスタッフ、県の企業等長期派遣研修で同法人に1年間在籍した小学校教諭が、各々の視点から経験や気づきをざっくばらんに語っている。
アイデアをシェア
これらは不登校をテーマにしたセミナーの企画運営・書籍の出版などを行う「びーんずネット」の機関紙内で、現在も島田さんが執筆しているコラム「不登校エプロンメモ」に書き下ろしを加えて再構成したもの。
「読者を責める表現や指導はせず、アイデアをシェアする。気軽に読んでもらうことで安心に繋げたい」との思いから、平易な言葉で原稿用紙1枚程度の簡潔な文章を編んでいるという。
20周年の節目
アンガージュマン・よこすかは、不登校児童生徒を持つ親の自助グループが前身。地域の中に学びの機会や居場所を作ろうと開設され、今年4月で20周年を迎える。上町商店街内に位置しているのが特徴で、地域イベントへの出店や手伝いにも積極的に参加して交流を深めている。
島田さんは横須賀市青少年課の非常勤職員などを経て、06年6月から同団体職員となり、12年に理事長に就いた。少子化が進む一方で、全国的に増加している不登校の小中学生。「横須賀市はとくに多い傾向にあり、本を通して『身近に一緒に考える人がいる』と伝えられたら」と話した。
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価格は1650円(税込)、136ページ。アンガージュマン・よこすか(上町2の4)と、びーんずネットホームページ(【URL】https://beansnet.thebase.in/)で販売中。
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