横須賀市の人口減少に歯止めがかからず、1972年以来、52年ぶりに37万人割れが迫っている。民間有識者からなる「人口戦略会議」が4月末に発表した、全国の地方自治体の持続可能性に関する分析レポートで同市は、20〜39歳の若年女性人口が減少傾向にあり、「社会減・自然減対策が必要」との結果だった。市は今年度から新たに結婚新生活支援事業や特設サイトをスタートしており、若い世代の移住定住につなげたい考えだ。
「若年女性人口が減少し続ける限り、出生数は低下しつづけ、総人口の減少に歯止めがかからない」--。同会議の分析では、国立社会保障・人口問題研究所が2023年12月に公表した「地域別将来推計人口」のうち、出産年齢にあたる20〜39歳女性の将来動向に着目。50年までの30年間で20〜30代女性の人口が50%以上減少する「消滅可能性自治体」をはじめ、100年後も若年女性が多く残る「自立持続可能性自治体」、人口流入が多い一方で出生率が低い「ブラックホール型自治体」、先のいずれにも該当しない自治体を「その他」として、結果を大きく4つに分類した。
すべての地方自治体の持続可能性や人口想定が公表され、横須賀市は「その他」に分類。若年女性人口は減少傾向にあり、「社会減・自然減対策が必要」という結果だった。
市の統計を見ると、2013年から23年までの10年で総人口は42万1839人から38万4663人に減少。そのうち20〜39歳の女性は、4万3745人から3万2648人で約1万1千人減った。同会議の推計によると50年には2万420人になる見込みだという。
対策あの手この手
市は4月から人口減少対策の1つとして、魅力発信サイト「Live in YOKOSUKA」を立ち上げた。
横須賀での暮らし方や豊かな自然と食、穏やかな気候などの魅力を発信するもので、おもなターゲット層は30〜40代の子育て世代。引越しを検討している人にニーズの高い情報を集約し、生活をよりイメージしやすい仕立てとした。
サイト内には、地域や行政情報だけでなく、実際に移住した家族の声を掲載。マイホームの購入によるUターンや、豊かな自然の中での子育てを求めて都内から移住した例など、それぞれの家族の”決め手”を紹介している。
サイトの認知度向上をめざし、市は二次元コード記した名刺サイズのカードを製作。不動産業界団体の協力を受け、商談や物件紹介の際に配布して閲覧を促している。
また、4月からは新婚世帯やパートナーシップ宣誓を受けたカップルに新居の住宅購入費、賃貸費用、リフォーム費用、引越し費用の一部を補助する「結婚新生活支援事業」もスタート。市企画調整課によると、市内在住者を中心に約20件の問い合わせが来ており、若年層の市外流出抑制に期待を寄せている。
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