かつて夏のにぎわいの主役だった海水浴場と海の景色が様変わりしている。
2017年には市から建築基準法に基づく指導を受け走水海岸が、20年には猿島海岸がコロナ禍で一度閉設されて以降、安全面の確保とニーズの低下から開かれていない。1996年には市内に7カ所あった海水浴場は今年度も長浜海岸のみの開設となる。
20年ほど前から同海岸で海の家に携わり、現在は経営する(株)Nitrousの代表取締役で長浜海水浴場組合長の斎藤真樹さんは「10年前は10軒以上あった海の家が1軒になってしまった。監視員などの人手の確保が容易でなくなり、遊泳客の安全の担保が年々難しくなっている」と現状を吐露する。
そもそも海の家が持つ役割とは何か。海水浴場を開くにはトイレやシャワー、更衣室など、県が定める条例を満たす必要があり、これを担っているのが海の家だ。それだけでなく、海岸保全のための清掃活動やブイの設置、監視員の配置などで安全確保にも努めている。
しかし同海岸では、海の家が減少し、監視員などに割ける人材が少なくなったことで遊泳区域が年々縮小している。これが影響し、ジェットスキーなどの水上アクティビティとの接触の危険性が高まっており「新たな問題が発生している」と斎藤さんは嘆く。安全性を向上させるために、民間のライフセーバーの委託も考えたというが、費用面で叶わなかった。そこで安全対策にかかる費用の一部を昨夏からクラウドファンディングで募っている。「気持ちよく利用してもらうために海の家の存在は重要。一つの文化として守っていきたい」
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