伸びのあるストレートを内外に投げわけるコントロールと、右打者の胸元をえぐるようなカーブで相手を翻弄する―。
神奈川県中学生女子軟式野球の選抜チーム「神奈川やまゆりクラブ」に鴨居中の佐藤海空さん(2年)が横須賀市からただ一人選出された。
5月に行われたセレクションには、県内から集まった精鋭約40人が参加。選考を勝ち抜き、25人のメンバーに選ばれた。「自分よりも上手な選手が多くて緊張した。合格発表があった時は嬉しくて思わず声が出た」と振り返る。
佐藤さんはソフトボールに親しんでいた両親の影響で小学1年生の時に鴨居ドルフィンズで野球を始めた。毎日の素振りや父親とのキャッチボールなど、野球漬けの日々を送り、6年時には背番号「1」をつけるエースに。中学に上がると、1年時から2番手投手として活躍。顧問の渡辺拓朗教諭は「入部した段階から基礎が出来ており、"光る"ものがあった」と当時の印象を話す。
投手としての強みは自他ともに認める制球力。マックス95キロの直球にカーブやスライダー、チェンジアップなどをストライクゾーンぎりぎりに自在に投げ込む。チームメートは「ストレートと変化球に球速差があるうえに球の出所が見えづらくタイミングをずらされる。さらにコースを突いてくるから余計に打ちづらい」と絶賛。
打撃面では、外野の頭を越す長打も放つなど、投打でチームを勝利へと導く大黒柱だ。
やまゆりクラブは8月中旬に京都府で開かれる「第9回全日本中学女子軟式野球大会」に出場する。「目標はもちろん日本一」。熱い想いを白球に乗せ、練習に励む。
女子人口は増加
女子プロ野球チームの設立や高校野球の決勝戦が阪神甲子園球場で行われるなど、近年さらに熱を帯びている女子野球。
神奈川県中学校体育連盟に所属する全国の女子野球の部員数は2010年時点で1505人、22年には2倍強の3936人にまで増えている。市内では19年に6人だったが、23年には13人に増加。また、全国高等学校女子硬式野球連盟に加盟する高校は今年1月時点で61校を数えるなど、全体的な野球人口が減少している中で創部が相次いでいる。
「将来は女子プロ野球選手になりたい」と佐藤さんは目を輝かせる。硬式チームや部活動、目標となる大会などの環境整備が進み、夢を叶えられる舞台が整いつつある。
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