津久井浜高校では強肩を生かした守備と”ポテンヒット製造機”と称される柔軟な打撃センスで2年時からレギュラーを勝ち取った。
尊敬する1学年上の先輩の引退試合は、人生で一番泣いた。2回戦の相手は強豪と名高い武相高校。取っては取られてのシーソーゲームだったが、ダメ押しの3点本塁打を浴び「だめかもしれない」と試合中にも関わらず涙があふれた。結局覆すことが出来ず敗退。「もう大好きな先輩と野球が出来ない」。野球に対する気持ちが切れかけていた。
新監督が就任した新チームでは、厳しさを増す練習で、けがが悪化。満足なプレーが出来ずユニフォームを脱いだ。しかし待ち受けていたのは、苦楽を共にした仲間への申し訳なさが募る悶々とした日々。「もう一度あいつらと野球をやりたい」。熱い思いが足を動かした。
春には部に復帰。しかし一度ついた”逃げの姿勢”が不振を呼んだ。「フルスイング」を目標に掲げ、失った時間を取り戻そうと必死にあがき夏にはレギュラーに返り咲いた。迎えた最後の夏、流れを呼び込む長打を放ち出塁するも判断を誤り塁上死。チームは消沈し、惜敗した。悔やんでも悔やみきれない。だが同時に、一度は投げだした自分を受け入れてくれた仲間への感謝の気持ちで一杯になった。
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現在は「ハッピー遠藤」の名で活動するピン芸人。ライブやネタ番組のオーディションでチャンスをつかむその日を待っている。初めは70人ほどいた東京の松竹芸能の同期は数人しか残っていない。だが辞める気はさらさら無い。芽が出ずとも、苦しんでも「最後までやり抜く大切さ」は高校野球が教えてくれた生きる糧だから。「一度は逃げても、諦めなければ道は続いている」
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