わたしのまちでいきる 【28】中高生時期の「自立」「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」
この連載では、障がいを持って生まれた娘うららとの歩みから、(一社)sukasuka-ippoのルーツなど、さまざまなエピソードを紹介します。
中軽度の障害のある子どもが急激に増えている中で、中学生以降になると放課後等デイサービスを利用し辛くなってしまう現状にお母さんたちからは「放課後や夏休みをどう過ごしたらいいの?」という声がよく聞かれます。支援が必要な子どもにとって、中高生時期には「自立」に向けた練習が必要不可欠。例えば一人で通学したり、時間を守って行動することや携帯電話で連絡ができるなど、社会に出るために必要なスキルはたくさんあります。
しかし、学校以外の自立の場は未だ整えられておらず、高校卒業後に仕事を持つという現状も課題となっています。一般就労ではなく福祉就労(福祉事業所で支援を受けながら働くこと)を選択せざるを得ない状況になり、すると今度は福祉就労先が不足し、福祉就労が必要な人がそこへ行けなくなってしまうという事態が起こるのです。
また、地域企業へ一般就労した場合でも、マッチングがうまくいかず続かないケースも少なくありません。私が実際に自立支援事業や就労移行事業を視察し感じたのは、2年という利用期間では、本人にとっても企業側にとっても準備を整えるには短く、職場への定着が難しいのではないかということでした。
それならばもっと、時間をかけて社会に出るための準備をする必要がある。だからこそ中高生のうちに、将来の道へ繋がる積み重ねをしておければと考えたのです。
-次回に続く
|
|
|
|
|
|
|
<PR>