OGURIをあるく 〜小栗上野介をめぐる旅〜第13回 特別編文・写真 藤野浩章
ドラマ「またも辞めたか亭主殿〜幕末の名奉行・小栗上野介(こうずけのすけ)」は、2003年のNHK正月時代劇として放送された。
原作者の大島昌宏はすでに他界していたが、「月はどっちに出ている」「血と骨」などを手がけ、後に紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章する脚本家・鄭 義信(チョン ウィシン)さんが『罪なくして斬らる』に惚れ込んでドラマ化が実現したという。
原作に比較的忠実だが、本書ににじみ出る小栗の熱血ぶりをコミカルに描き、それを主演の岸谷五朗さんが生き生きと演じられていた。妻・道子役の稲森いずみさんとの夫婦愛を軸に、盟友の栗本鋤雲(じょうん)を松重豊さん、他にもベテラン俳優が名を連ね、とても厚みのあるドラマだった。
特筆すべきは、勝海舟(かつかいしゅう)。冒頭から対馬をめぐる2人の言い合いがあるが、演じたのが西村まさ彦さん。今でも読む度に西村さんの顔が思い浮かぶほど、個人的には最適なキャストだったと思う。
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