神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀・三浦版 公開:2024年10月25日 エリアトップへ

青少年援助ホーム「夢見館」 行き場ない若者に居場所 食住提供「実家のような温もりを」

社会

公開:2024年10月25日

  • X
  • LINE
  • hatena
「子どもたちに自立の機会を与えたい」と話す浜田理事長
「子どもたちに自立の機会を与えたい」と話す浜田理事長

 貧困や虐待、非行などさまざまな事情で行き場所を失った若者の自立を支援しようと、一定期間、安価に食住を提供している場所が横須賀にある。NPO法人「Flying to the Future」(同市長瀬)が運営する青少年援助ホーム「夢見館」だ。昨年4月に開所し、これまで7人の自立を後押してきた。「次世代を担う若者が社会からこぼれ落ちないように」。浜田修理事長(44)は巣立った子らが未来に羽ばたく日を願い、手を差し伸べ続けている。

 市街地を望む丘の上にたたずむ築約50年の一戸建て。ここが困難を抱える若者らが集う砦だ。

 木造2階建てで、1階は食事をしたり休息するスペース、2階には入居者が自室として使うための6〜7・5帖の洋室3室があり、生活に必要な家具や家電を備える。

 定員は原則3人。対象は概ね22歳までを想定しているが、子育て中の一人親など世帯での入居も可能だ。平日の朝夕は食事も提供し、光熱費やインターネット使用料などは無料。月々の家賃は「実家暮らしの若者が家に納める程度」を想定し、下限を3万5千円に設定した(収入などに応じて最大5万5千円)。

 「ここは入所者にとっての”家庭”なんです。僕が父親、料理を作るスタッフが母親。時々小言もいうけど、温かく見守る存在が若者には必要だと思う」。若者の境遇を説明しながら、浜田理事長が目を細める。

養護施設の「後」は

 かねてから地域貢献の一環として市内の児童養護施設に関わってきた。開所のきっかけは、施設を出た後の支援が行き届いていない現実を知って。「施設職員に出所後の子どもたちのことを尋ねたら『知らない』と返ってきた。社会を知らず施設に出戻りする子もいる。出所後のケアが圧倒的に足りていないと気が付いた」。知る限り、市内にある自立援助ホームはわずか1カ所だ。新たな宿り木を作ろうと、2022年12月にNPO法人の認可を取得した。

 重視するのは、入居者にどう自立してもらうか。ホームはあくまで一時的な場と位置づけ、職員は24時間常駐せず、洗濯や片付けなど日頃の生活に必要な作業は入居者自身にやってもらう。

 今年5月から入所する女性(19)は鑑別所を出所後、家族から身元引受を拒否され保護観察所づてに辿り着いた。「ここの大人はみんな優しくて居心地が良い」と関係者への感謝を口にする。

 「みんな本当に良い子なんです。次世代を担う若者の苦難を見て見ぬ振りをしたくない」。施設の運営は赤字続きで昨年は100万円以上を自費から充てた。それでも未来のためと、できる支援を続けていくつもりだ。

 問い合わせは浜田理事長【メール】ftf.23.oh@gmail.com、またはインスタグラム(「jiritsusien.npo」で検索)へ。

横須賀・三浦版のローカルニュース最新6

1幅7mの大作

浄楽寺

1幅7mの大作

29・30日、万葉集巻物展

11月22日

「大きいの採れたよ」

「大きいの採れたよ」

特別支援級の児童ら芋掘り

11月22日

社交ダンスで地域貢献

いきいき市民塾

社交ダンスで地域貢献

11月22日

三浦海岸でバルウォーク

三浦海岸でバルウォーク

3店はしごで豪華景品も

11月22日

三浦野菜 どう料理する

三浦野菜 どう料理する

「食」の視点で地域活性

11月22日

結成20周年ライブブルー湘南で放送

お笑い集団「0468スタイル」

結成20周年ライブブルー湘南で放送

11月22日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 11月22日0:00更新

  • 11月15日0:00更新

  • 11月8日0:00更新

横須賀・三浦版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

  • OGURIをあるく

    OGURIをあるく

    〜小栗上野介をめぐる旅〜第25回 江戸編【3】文・写真 藤野浩章

    11月22日

  • OGURIをあるく

    OGURIをあるく

    〜小栗上野介をめぐる旅〜第24回 江戸編【2】文・写真 藤野浩章

    11月15日

  • わたしのまちでいきる

    わたしのまちでいきる

    【32】目標クリアで「認定証」「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

    11月15日

横須賀・三浦版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月22日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook