「三崎マグロ」のブランドで知られる三浦市で、マグロの「血合い」に新たな価値を見出し、特産品として売り出す試みが本格化している。血合いに含まれる成分の健康効果を前面的にPRして、マグロ食の拡大と食を通した地域経済の活性化につなげる。10月20日には、血合いの部位を表現する新しいネーミングの発表があり、一般公募で「茜身」(あかねみ)に決まった。
三浦の食ブランド
新ネームは、全国から2583件の応募があり、3人が「茜身」と命名。「赤身でも白身でもない第三の色」「肉ではなく身と表現して健康食をアピール」「きれいな色を語感で伝えた」との説明があり、三崎でマグロ料理店「くろば亭」を営む山田芳央氏による書道パフォーマンスで披露された。
この日の発表会では、健康(未病改善)食として、マグロの血合いの価値を高めていく研究に取り組んできた聖マリアンナ医科大学などの識者による報告もあった。
血合いは、腹と背の部分にある赤褐色の部位を指す。大腸がんの発生や血圧上昇の抑制効果に加え、生活習慣病の要因となる活性酸素を取り除く「セレノネイン」と呼ばれる成分を多く含んでいることが判っており、継続的に食べることで健康の維持・増進に役立つことを紹介した。
地域の特産品化に向けては、神奈川県水産技術センターの後押しを受け、三浦商工会議所と地元飲食店有志による「まぐろ未病改善効果研究会」が取り組んでいる。血合いは酸化しやすく保存が難しいため、市場に流通することは少なく、生臭さがあることから地元の飲食店でも積極的に扱われてこなかった。
これを活用するには、鮮度と温度管理が鍵となるが、同センターでは、「三崎港と周辺の飲食店では、長年培ってきたコールドチェーン(低温物流)の技術があり、品質保持の問題をクリアできる」としている。
商議所と研究会では、取り扱いの基準などを定めて店舗を認証していく考え。血合いの機能性を損なわず、美味しく提供するための技術や知識の共有なども進めている。認証店は、現在調整の段階で、年度内に14〜15店舗でスタートさせる。すでにメニュー化している飲食店も複数あり、味の面でも独自性を打ち出して集客につなげていく。
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