(一社)日本新聞協会が主催する「いっしょに読もう!新聞コンクール」の神奈川県独自の審査で、横須賀高校2年の石川遥子さんが高校の部最優秀賞を受賞し、11月10日に表彰を受けた。石川さんは「情報が一覧できる新聞は、自分の世界をより豊かにする」と新聞を読む意義を語る。
「戦争画」の意義 記事で学ぶ
同コンクールは生徒が興味を持った新聞記事を選び、選定理由や読んで感じたことなどを記して応募する。高校生の部には県内から2332件の作品が集まった。
石川さんが題材にしたのは、太平洋戦争中に艦隊の様子を描いた油彩画について、同作者による類似した作品が発見されたことを報じた記事。同作の試作とされており、作者が当事者への取材を繰り返し、正しく歴史を伝えようとした跡がみられることを報じている。
石川さんは戦争画について調べる中で、国民の戦意を高揚させるプロパガンダ芸術の側面があったことを知り、抵抗感を覚えたという。しかし、作者が取材を重ね真実を伝えようとしていたことに感銘を受け、次第に考えが変わった。応募作の中で「生活に楽しみをもたらすだけでなく、写実的に戦争の悲惨さを伝えるのも芸術の力なのでは」と戦争画の社会的役割について考えを記している。
若者離れ顕著
新聞の教育現場での活用で、媒体の面白さや有用性を知ってもらうことなどを目的としている同コンクール。一方、新聞通信調査会の「メディアに関する全国世論調査」(24年)によると、「大きなニュースの情報源」について18・19歳は「インターネット」で約80%、「新聞」で8%、70代以上はネットが約30%、新聞が約65%で逆転した。
同調査では18・19歳で「新聞・新聞記事は読まない」という回答が約60%にまで上るなど、若者の顕著な新聞離れがみてとれる。
多様さに価値
以前は小学生新聞を毎日読んでいたという石川さん。高校生になってからは忙しない学校生活の中、新聞からは遠ざかっていたという。だが、夏休みの課題として取り組んだ同コンクールを契機に改めて紙面に目を通すと、新たな気づきも。ネットニュースは自分の興味のある記事を読む傾向があり、新しい視点が広がりにくい。一方、新聞はさまざなジャンルの記事を一覧することができる。「読むと自分の世界がもっと豊かになる。ネット時代だからこそ、この特長を大切にしていきたい」と話した。
横須賀・三浦版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|