かつて日本の造船業を支えた住友重機械工業旧浦賀工場(通称・浦賀ドック)周辺の利活用を巡り、横須賀市は11月29日、駅前周辺地区活性化事業のパートナー事業者を公募すると発表した。今後優先交渉権者を来年7月頃までに決定し、市と住友重機工業、パートナー事業者の3者間の協定や規制緩和などの手続きを経て、2027年度以降の着工を目指す。
浦賀ドックは、国内屈指の造船所として2003年の閉鎖まで約1千隻の艦船の製造・修理を行ってきた国内最古級の大型ドライドック。21年3月、ドックを含む2・8haを同社が市へ無償で寄付。これを受け、市が近代歴史遺産を活用した観光、交流拠点の形成に向け検討を重ねていた。
同年市は活用案や事業手法を探る調査を実施したものの、規模が足りず開発に参画する企業は現れなかった。こうした経緯を踏まえ、今年3月には両者が周辺地区の活性化に向け、土地活用に関する協定を締結。同社所有の12・2haを含む計15haを一体的に利活用することが可能になった。
掲げる事業コンセプトは「新しい都市拠点の形成による『第二の開国』の実現」。ペリー来航以降、日本が世界に開かれるきっかけになった「第一の開国」の役割を踏まえ、海洋都市としての特徴や資源を生かしつつ、新たな価値の創出や地域の内外から人が集う場作りを目指す。具体的なイメージとして、ウォーターフロント施設やマリンレジャー施設、歴史資源を活用した集客施設、宿泊施設や商業・飲食施設などを挙げた。
市民官連携推進担当は「エリア周辺を巻き込む賑わいの波及効果を期待している。文化財的にも貴重なものが残っており、まちを共に育てていける事業者に参画してもらいたい」と話した。
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