人生100年時代、健康の秘訣は――。
還暦を過ぎてからトレーニングを始め、70歳で重量挙げの日本一に輝いた女性が森崎にいる。吉田かをりさん(72)。12月21日には愛媛県で開かれる3度目の「全日本マスターズ選手権大会」を控えており、記録更新を目指している。
病で寝たきりになった夫を10年介護した。ベッドで介助したり、車いすに移すのに「腰痛持ちの身体では支障をきたすかもしれない」。ジムに通い始めたのはそんな理由からだった。
重量挙げに興味を持ったのは、別の近所のジムに通い始めてほどなく。自分と同年代の女性がバーベルを挙げるのを見て「すごいな。目標を持ってやったら楽しいんじゃないか」。どちらかと言えば運動は不得手だったが、地道な練習が成果になって現れる重量挙げは肌に合った。
昨日できなかったことが、今日できるようになる。70歳だった一昨年7月、年齢・体重別で競う神奈川県ウエイトリフティングマスターズの女子70歳59kg級に初出場し、優勝。同年9月には全日本選手権でも第1位に輝いた。さらに翌年も同じ階級で記録を更新して優勝した。
「優勝といっても裏話があって、同じ階級に出場したのは私1人なんです」といたずらっぽく笑う吉田さん。とはいえ、ともに最高齢での出場で優秀な成績を収めた。
2月に長年連れ添った夫が他界。一時は喪失感から競技へのモチベーションも失いかけた。
「でも」と前を向く。「重量挙げを続けてきたから今の自分がある。健康で居続けるため、生涯続けたい」。孫や家族に大会の結果を自慢できるのも、密かな楽しみだ。
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