団塊の世代が75歳以上になり、医療・介護の需要過多が懸念される「2025年問題」。横須賀市も例外ではなく、市の資料によると、23年時点で約2・5万人いた市内の要介護・要支援認定者数は今後増え続け、10年後の2035年に約3万人に達しピークを迎えるとしている。
横須賀市居宅介護支援事業所連絡協議会はそうした状況を踏まえ、ケアマネジャーを対象とした意識調査を昨年実施した。2月14日にはケアマネジャーの持続可能性や今後のあり方を問うシンポジウムをオンラインで開催。市内外で働くケアマネジャーや介護事業所関係者、医療関係者など約200人が参加した。
調査では、ケアマネ1人あたりの担当者数を35人と仮定し、35年には全市で446人が必要になると試算。現在の398人を維持しつつ、さらに48人を新たに確保しなければならない現状があることを訴えている。
5年毎の資格更新 5万円自己負担も
業務の負担について3つ選択する質問では、主に「事務業務の煩雑さ」(53・9%)「資格更新制度」(43・5%)「シャドーワーク(報酬の伴わない業務)」(31・3%)などが挙げられた。
書類のペーパーレス化などによる事務業務の簡略化を求める意見のほか、5年ごとに資格の更新が必要な現在の制度に対する負担もアンケートから明らかになった。神奈川県では、主任ケアマネジャーの資格取得には研修などで5年と約20万円の費用が、更新には5万円がかかる。個人資格のため、費用は自己負担となる事業所が多く、従事者にとっては大きなコストになっているという声もあった。
身寄りのない人の受診付き添いや救急車の同乗、金銭管理など、報酬の発生しない業務外の対応が本来の業務を妨げていることも、負担として挙げられた。
供給不足に危惧
シンポジウムでは資格のあり方など国の制度づくりに疑問を投げかける声が多く聞かれたほか、現場の負担が膨らむことでケアマネ人材が減り、「サービスが提供しきれなくなるのではないか」という危機感もあらわになった。AIを活用した業務効率化や、制度改革を促すロビー活動などの重要性も共有された。
シンポジウムを終え、同協議会会長の玉井秀直さんは「より良い10年後を作るため、利用者に現状について関心を寄せてほしい」と呼び掛けた。
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