「塩漬け」解消にめど 旧市横高跡地、200区画の宅地開発
市内森崎5丁目の旧市立横須賀高校跡地が、売却される見通しとなった。購入に名乗りを上げたのは市内不動産業者「叶不動産」(上町)を筆頭とする地元5社。共同で開発を進め、戸建住宅200区画の造成・販売を手掛ける計画だ。売買価格は12億330万円。横須賀市は12月の第4回定例会に当該地の売却議案を提出、可決後に事業者と売買契約を結ぶ。
市内不動産業者、取得へ
旧市立横須賀高校は03年4月に市立横須賀総合高校に統合されてから約8年間、未利用地となっていた。
敷地面積は約4・3ha。当初は教育施設の誘致をめざし、複数の学校法人との交渉を重ねてきたが、市の審査基準に満たないことなどから実現には至らなかった。以来、「塩漬け」状態が続き、財政の足かせとなっていた。
市は昨年8月、状況の打開をめざして、用途を学校に限定せずに土地と建物を合わせて16億6695万円で新たな売却先を募った。周辺住民から要望が寄せられていた日用品販売店の出店には、優遇措置を設けたが、実勢価格との乖離や建物がセットとなる条件に難色を示されるケースが多く、応募者は現れなかった。 今年5月、方針転換から2度目となる募集は最低売却価格を12億80万円と大幅に引き下げ、土地の売買代金を前期・後期に分けて支払いできる「段階購入」を設定。これが事業者の投資意欲を高める結果につながった。
購入予定者の叶不動産、田口穰一郎代表は「市内の大型分譲開発はこれまで、大手主導で進められてきた。現在、横須賀市は定住促進に力を注いでいる。今回の開発計画は地元の事業者として、街の活性に寄与できるもの。住宅取得のニーズを掘りおこして成功させたい」と意欲を見せている。
食料品・日用品の販売店を求める地域住民の意向も尊重して、商業施設の誘致の可能性も探りながら、計画の実現をめざすとしている。
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