女性客を一本釣り 「マリンフィッシング」 ブーム先取りで
横須賀市は「マリンフィッシング」をテーマにした集客事業に乗り出す。市内の釣り宿と連携、女性の愛好家が増加傾向にある昨今の兆しを先取りして、初心者や未経験者を戦略的に呼び込む。「釣りガール」なるイメージガールも市民から公募。男性色の強い釣りのイメージの一新を図っていくほか、飲食店も巻き込んで釣った魚を味わうグルメなども開発していく。
市では平成23年から向こう5年間の集客戦略をまとめたアクションプランで、体験観光の活性化を打ち出している。「マリンフィッシング」はそのひとつ。通年で楽しめるスポットが市内に点在している環境の利に加え、愛好家のリピート率の高さに着目。「きっかけを用意すれば定期的な来訪につながる」ともくろんでいる。
一方の釣り宿は、他地域との競争激化で集客が伸び悩んでいたところ。「新たなファンを開拓するために『親子教室』などを催しているが、発信力の弱さがネックとなり、広がりに限界を感じていた。このままではジリ貧」と東部漁協久里浜支所遊漁部会の榎本幸司さんは現状を明かす。燃料代の高騰などもあり、経営は年々厳しさを増しているという。海洋資源の減少も頭痛の種で年に2〜3回、マダイやクロダイの放流を行うことで固定客をなんとかつなぎとめている。
こうした状況を打破したい、と市に集客支援を依頼。市と同遊漁部会、双方の思惑が一致したことで事業化に発展した。
釣ってよし、食べてよし
手始めに行うのは女性をターゲットにしたPR活動。釣りの魅力を発信する3〜5名の「横須賀フィッシングガール」を一般公募し、釣り教室のアシスタントや実釣レポートなどを担当してもらう。
初心者の女性を対象にしたフィッシング教室も3月に計画している。「手ぶらで参加」をキーワードに、ホテルの温浴施設や釣魚の料理と試食を体験できる複合メニューで楽しませる。出港時間を遅めに設定するほか、料金も格安のお試し価格を用意するという。
このほかに、親子で参加する体験教室や旅行会社の観光ツアー誘致なども手掛けていく。久里浜のマダイ、東京湾のアジなど食を通じた地魚の魅力づくりも視野に入れる。いずれも久里浜のモデルケースを足がかりに、全市的な展開につなげたい考えだ。
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