共同生活で社会への一歩 引きこもりの若者対象に『シェアハウス』
「社会に出る一歩をサポートしたい」―。引きこもりや不登校の若者に対して、学習・就労支援を行っている市内のNPO法人「アンガージュマン・よこすか」(上町)が今月から『シェアハウス』の事業を開始している。共同生活体験の場づくりとして、横須賀市とも連携した新たな試みだ。
「アンガージュマン・よこすか」は、2004年にフリースペース(学習支援施設)として活動開始。さらに、引きこもりの若者とその親の支援活動を行い、就労訓練の店舗(はるかぜ書店)を中心に、商店街や行政などとの協働で研修・ボランティア等の就労促進事業を進めている。その目的は就職ではなく「アンガージュマン」という言葉がフランス語で「社会参加」という意味を持つように、社会との接点を自ら持つ訓練をするということ。これまで約6年間、はるかぜ書店などで就労訓練を行った”元”引きこもりの若者たちは、延べ約200人。その後、彼らは自分の居場所を見つけ、アルバイトや就職など次のステップを踏み出している。
「家から出るきっかけづくりに」
その実績をふまえ、同法人が新たな事業として始めたのが「シェアハウス」。市内佐野町にある一軒家とアパートを改装し、個室と台所や居間など共有スペースを設けている。定員は8人。概ね15〜39歳を対象とし、1年を上限に生活の場を提供する(光熱費等は自己負担)。同法人スタッフが相談窓口になり、入居者は就労支援のプログラムにも参加。「家から出ること、入居者同士でコミュニケーションをとることで、まずは社会との接点を自らが感じてほしい」と同法人の島田さんは話す。「いきなり社会に出て働く―というのは、大きなハードル。本人はもちろん、家族にとっても、きっかけづくりが大切。こういった機会を通して小さな一歩を踏み出してもらえれば」
市との連携した事業という点も初の試み。横須賀市では今年度予算の「新しい芽を育むプログラム」として、運営費(家賃や人件費など)を助成。市保健所や専門医などと協力し、事業の検証も行っていく予定だ。シェアハウスに関する問い合わせ、相談は同法人【電話】046・801・7881へ。
|
|
|
|
|
|