聖徳寺で晋山式 660年の歴史を継ぐ新住職
田戸台にある聖徳寺本堂で、今月9日に「晋山式(しんざんしき)」が行われた。晋山式とは、新しい住職が就任する際に行われ、地域住民や檀家へ向けた襲名披露の意味を持つ儀式のこと。聖徳寺は南北朝時代の文和2年(1352)に創建された由緒ある寺。今年で660年を迎えるが、「これまでに晋山式が執り行われた記録は残っていない」と関係者は話している。
昨年7月に先代の住職が75歳で他界。1周忌を終え、この日代替わりが行われた。第21代の住職に就いたのは伊藤浩信さん(39・写真中央)。一度は家を出て会社勤めをしていたが、長男として後を継ぐために同寺に入った。式では「地域とともに生きる寺にしたい。仏教の教えを現代社会に伝えていけたら」と誓い、所信表明した。
今後の展望について「敷居が高く、立ち寄りがたいお寺のイメージをなくしたい」と話す。「人生相談や他愛のない話でもいいので、誰もが気軽に入れる寺を」と来春から月に1度、無料の仏教講座「念佛会」を開く計画を立てている。「仏教とは何か」「浄土宗の教え」などを分かりやすく解説する。このような取り組みは創建以後初めてで、地域住民に開かれ、親しまれる寺をめざしていきたいとしている。
当日は晋山式に先立って稚児の練り行列も行われ、およそ200名の隊列が並び、新しい住職の就任を祝った。安浦町〜県立大学駅前〜国道16号〜聖徳寺までの道のりを1キロほど歩くと、子どもたちの可愛らしい姿と豪華で煌びやかな装束を身にまとう様子が通行人の目を引いていた。
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