今月9日、副市長に着任した 田神 明さん 野比在住 62歳
市民に寄り添う市役所に
○…「横須賀市を素晴らしいものにするために、協力してほしい」。吉田市長から、そう声をかけられたのが先月初め。今月9日、副市長に着任。その職責の重さに、緊張感を滲ませながらも「やりがいを感じる仕事」と意気込む。
○…”ものを作る”ことが好きだった子ども時代。その思いが『道路』へとつながった。市立工業高校を経て横須賀市役所へ。念願の道路建設の現場に立ったが、時は高度成長期。技術が日夜進歩していく中で、もっと学びたいという気持ちが高まり、勤務の傍ら大学の建設工学科で学ぶ。5時まで働いて学校へ、授業後は再び役所に戻って仕事。「苦しかったけど、成長の現場で働くことができておもしろかった」。実に飄々と語る。転機は道路維持課でのこと。道路は完成して終わりではない、維持管理することのほうが大切だと気付かされた。いま問題にされるハコモノも同じだ。作ってからどう使うか、育てるか。市民の生活に寄り添うことで見えるのではないか―と。自身が携わった道路は市内に網の目のように広がるが、中でも山崎ふれあいトンネルや横横道路の延伸は、思い出深い作品であり、財産だと話す。
○…市を退職後は、シルバー人材センターで経営改革に乗り出したが、今まで行政の中にいて見えなかった”お役所的”な部分に反省しきりだった。そこで感じ、学んだ意識改革の必要性。副市長として、縦割りではなく、横のつながりを強固にした総合力の発揮できる職場にしていきたい、と気持ちを引き締める。
○…横須賀で生まれ育ち、仕事もこの地に捧げてきた。「都市にありながら自然環境に恵まれている。そんな地域資源をもっとPRすべき」。富士山が見える場所が多いのも、密かな自慢だ。「長井から海越しに見える姿が素晴らしい」とにっこり。時間が空くと自宅で楽しむのも土いじり。地に足をつけて横須賀を耕す日々は、まだ続きそうだ。
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