長編小説「秋水の夏」 搭乗員は何を思ったか
太平洋戦争末期に、追浜の海軍航空技術廠で開発された有人ロケット戦闘機「秋水」を題材にした長編小説「秋水(しゅうすい)の夏」=写真=を、横浜市金沢区在住の作家、三吉眞一郎氏が上梓した。
秋水はプロペラ戦闘機が主流だった時代に、陸海軍共同で開発されたロケット・エンジン搭載の秘密兵器。ドイツから極秘に運ばれた設計図を基に組み立てられたとされるが、その正体は依然として謎に包まれている。
作品は同機体の開発を含む太平洋戦争末期の実話を縦糸に、搭乗を命じられた青年士官たちの心の葛藤を横糸にして編んだもの。「生きることすら許されなかった青年たちのひと夏を小説化した、青春の残滓への鎮魂歌」(三吉氏)としている。
竹書房から7月25日(金)発売。定価1500円(税別)。
三吉氏は定年退職後に作家としてデビュー。2013年に戦国時代を描いた時代小説「翳(かげ)りの城」を発表している。2作目となる今作は、10年前に行われた映画脚本コンテストの応募作品を大幅に加筆修正した。
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