横須賀市は、10月から「産後ケア事業」を開始する。産後4カ月までの母親と赤ちゃんを対象に、市内の助産院などで母体のケアや授乳・沐浴指導など専門的なサポートを受けられるほか、リフレッシュとしても利用できる。育児の不安解消と切れ目のない支援体制で、「安心して産み育てられる街」を目指す。
「授乳がうまくいかない」「夜泣きや夜の授乳で生活リズムが崩れている」「家事と育児で疲労が続いている」―。家族が増える喜びの反面、こうした不安や悩みを抱える母親が多いと言われる。市が10月から始める「産後ケア事業」は、家族などから家事・育児の援助が受けられない人、産後の体調不良や育児に不安を感じている人に対して、助産師による専門的なケアを受けやすくするもの。市内の助産院などでは既に、デイケアや産褥入院(産後ショートステイ)などのサービスを設けているところもあるが、金銭的な負担が大きく、気軽に利用できないことがネックとなっていた。
同事業では、1回あたりの利用料金を、市が7割負担。日帰りのデイケア(午前10時から午後5時、自己負担額3000円/1回)、夜間のみのナイトケア(午後8時から翌朝10時、6000円)、宿泊するショートステイ(午前10時から翌朝10時、9000円)の利用区分があり、食事の提供も行う。利用上限回数は各7回(ショートステイは6回)、組み合わせにより最大14回利用できる。サービスを受けられる施設は、横須賀市立市民病院/院内助産(長坂)・かもめ助産院(西逸見町)・オハナハウス(坂本町)の3院。市こども健康課の母子保健コーディネーターが、利用調整を行う。
母親の負担減目指す
市ではこれまで、産前産後の母子支援として、保健師・助産師の新生児家庭訪問(こんにちは赤ちゃん事業)や子育て支援ヘルパー派遣などを行ってきた。「これに、今回の事業を加えて、妊娠から子育てまで切れ目のない支援を提供できる」と市担当者。特に、ナイトケアは県内初の試みだという。「夜間の頻回授乳などで、母親が体調を崩しやすいと言われる。そうした負担を減らすことができれば」と話している。
受入施設のひとつ、かもめ助産院院長の鈴木令佳さんは「金銭的な負担が減り、利用しやすくなると思う。助産師とのコミュニケーションで、不安や悩みを軽減してほしい」と利用拡大を期待する。
申込受付は9月14日(月)から。(問)市こども健康課【電話】046・824・7141
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