市内中心地の新たなランドマーク「ザ・タワー横須賀中央」=写真=が、今月17日に竣工した。2013年4月の工事着工から2年7カ月。すでに、住宅(297戸)への入居が始まっており、商業ゾーンのグランドオープンは来年春を予定。商業テナントと住居一体の複合型高層タワーは、「まちなか住居」という新しい都市基盤の形成と、市街地再開発のシンボルとして、活性化の期待を背負っている。
西友横須賀店などが入っていた旧ビルの老朽化にあたり、再開発の協議会が立ち上がったのが2006年のこと。10年には、街区全体の再整備事業として地権者らによる「大滝町2丁目地区市街地再開発組合」の設立が認可。京浜急行電鉄と大和ハウス工業も組合員として参画し、事業が具体化した。市も「横須賀中央エリア再生促進アクションプラン」に基づいた特別減税制度を適用。さらに、高度地区の廃止や、容積率の大幅緩和などで同事業を支援していた。総事業費は約159億円で、国・県・市から、合わせて約66億円の補助金を受けている。
高さは、三浦半島一を誇る143m。設計デザインのコンセプトは「灯台」だという。地下1・2階は駐車場、1〜4階は商業施設ゾーンで、「LIDRE(リドレ)」と名付けられた。1階には、証券会社・コンビニエンスストア・調剤薬局、2階に整形外科、3階には眼科など医療機関が開業する予定で、4階も医療フロア(横須賀タワークリニック)の計画が進んでいる。
商業ゾーンのグランドオープンは来春を予定しているが、これより前に開業する事業者もある。また、5〜38階は住宅297戸で、既に入居が始まっている。同開発組合の石田重藏理事長は「中心市街地での定住促進と教育・医療の充実など、横須賀の特徴を活かしたまちづくりに、さらに力を入れていきたい」と話す。
「中央再開発の起爆剤に」
「協議会立ち上げから10年近く、地元の方々が情熱を注がれた成果もあり、この日を迎えることができた。横須賀市にとって、この事業は再開発の試金石。これに続く事業の起爆剤になってほしい」。今月13日に行われた竣工祝賀会で、吉田雄人市長はそう語った。
人口減に悩む横須賀市にとって、この施設は中心市街地の活性化、賑わい創出のシンボル的存在。横須賀中央エリアでは、2丁目地区のほかに、大滝町1丁目地区(旧さいか屋大通り館)、三笠ビル、若松町1丁目地区(ザ・プライム周辺)、横須賀駅前地区の4カ所で再開発協議会が立ち上がっている。いずれも建物の老朽化や賑わいの低下を課題としており、再整備に向けて検討が進む。祝賀会出席者からも「中央エリアは磨けば光る魅力ある街」「中心市街地としての存在感を発揮し、次の開発事業が続いてほしい」との声もあり、新たな動きへの期待も高まっている。
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