横須賀市は、今春に行ったまちなかインバウンドの実証実験第2段階として、株式会社NTTドコモ、パナソニック株式会社と連携し、翻訳アプリケーションを市内一部商店街で活用する。外国人との接客円滑化などを目的としたもの。今回は精度を向上させた新たなアプリと、メガホン型などの翻訳機を開発し、イベント時の活用など利用シーンの拡大を目指す。7月中旬から、上町やドブ板など5カ所で実施される。
今春に実施した第1段階の実証実験では、タブレット端末に話しかけると、文字と音声の両方が文章で翻訳されるシステムを使用。上町銀座商店会、逸見美和会、三笠ビル・千日通・ドブ板通り商店街の33店舗で実施した。そのうち、9店舗では実際に外国人との接客シーンで活用。「8割以上の意思疎通がとれた」と5店舗から回答があり、一定の効果を示したが、音声認識・翻訳精度の問題でコミュニケーションの疎通を図れなかったケースもあったという。
今回行われる第2段階では、YRP地区(光の丘)に研究施設を持つ、ドコモやパナソニックと連携。商店主らの声や、前回実験時に取得した1200件のデータを分析し、新しく3種類の機器と、精度を向上させたアプリを2種類、前回実施した商店街で導入する。2社は、米軍基地を有し比較的外国人の人通りが多い市内において、データを収集し、全国展開を見据えた実用化に向けて、検証を行う。
実証実験に新たに加わったパナソニックは、メガホン型の翻訳機を製作。既に成田空港での案内時に使用実績があり、日本語で発声後、翻訳された英語・中国語・韓国語が流れ続ける仕組みとなっている。イベント時の誘導業務のサポートなどに期待できるとしている。他に、首からかけるタイプのペンダント型なども提供する。
ドコモが製作した「単語翻訳アプリ」は会話の中から、主要な単語のみを抽出して、翻訳内容とともに端末上に表示するもの。誤って認識した単語の削除や、必要な言葉の追加ができるため、より円滑なコミュニケーションを図ることが可能となる。専用マイクと端末を連携させた「インタビュー翻訳アプリ」も提供する。
商店街イベントで活用
上町商店街では今日15日(金)、16日(土)にかけて行う「上町浪漫灯ろうまつり」でメガホン型の翻訳機を使用する。毎年200〜300人の外国人客が訪れる祭りで「接客時に利用し、外国人にもイベントを楽しんでもらいたい」と同商店街の高梨治さんは話している。
ドブ板商店街は、8月14日(日)に行われる「アームレスリング大会」などで使用予定。参加者に米軍関係者も多いため、ルールや、注意事項の説明、会場の盛り上げに活かしたい考えだという。「イベントが成功すれば、継続的な使用を考えたい」と同商店街振興組合の越川昌光理事長。今後の利用について、購入を前向きに検討しているという。
市によると、まちなかインバウンドの実証実験は今回で終了予定。担当者は「翻訳機・アプリの利用シーンを拡大することで、インバウンドの集客などにつながれば」と話している。
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