出馬を表明したのは5月下旬。市民団体「横須賀市民の市長をつくる会」が擁立する形で、市長選に挑む。「短期決戦で相手は強い」と追う立場であることを自認する。出遅れ感はあるが、対話支持の拡大を目指し、駅頭に立ち始めた。
県外出身で、基地問題に長らく取り組んできた。平和をテーマにした美術作品も発表する。横須賀では空母の母港化をめぐる2回の直接請求運動にも関わってきた。不採択となったが、「法定数を越える署名があり、市民の誠実さや良識を感じた」。現市長は市議当時、住民投票条例案に賛成の立場だったが、就任後は一転トーンダウン。そうした現状に「国に対して堂々とモノを言える市長が必要」という姿勢を貫く。基地問題に加えて、石炭火力の発電所計画(久里浜)の撤回も訴えるが、そうした政策の基盤にあるのは「市民の声」に他ならない。
今月1日の決起集会には、約70人が集まった。重点に掲げるのは5つ。まずは、低迷する地域経済へのテコ入れ。例に挙げたのは、現市長が実施している住宅リフォーム助成。実績件数が少なく、内容を変換せざるを得なかった。他自治体では同様の助成制度を拡大し、地元事業者の活性化にもつなげていると指摘。企業誘致頼みでなく、小さくとも地域でお金を循環させる経済対策を柱とする。中学校給食の実施も同様だ。実施方式の決定が急がれる中、自校直営とすることで流通など地域おこしにつながるとしている。
暮らしや子育て支援の分野では、国民健康保険料の負担増を懸念。「横須賀は高額なうえ、収入が少ない人から多額に徴収するのは無理がある」と現状を憂う。子ども医療費助成では、年齢引き上げや所得制限の撤廃を訴え、福祉の視点では、シニアパスの助成拡大やコミュニティバスの推進も掲げる。
これらの財源については、県内で最多と言われる134億円の財政調整基金。「将来の不安に備える”溜め込み”が必要か? 今使って地域経済を豊かにすることが必要」と明確に示す。
支援者からは「市民の声を聞き、自分の言葉で示す市長を」。これが、大きな波になることを期待する。
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