「だるまちゃん」シリーズや「からすのパンやさん」など、600点以上の絵本を世に送り出した、かこさとし(加古里子)さん。晩年は藤沢市内で暮らし、今年5月に92歳で逝去。伝承遊びや科学まで幅広い分野で作品を執筆していたかこさんが、横須賀市の依頼で製作した絵本がある。
2003年に出版、ペリー来航150年を記念したものでタイトルは「よこすか開国物語」。表紙に描かれているのはペリーと小栗忠順、ヴェルニー。裏表紙では栗本鋤雲、サヴァチェ、中島三郎助の3人が並ぶ。ペリー上陸の様子や横須賀港の図面、石積みドックの建設方法、フランスからの生活文化など、開国前後の横須賀の様子が独自のタッチで表現されている。
次世代へのエールも
「読み物としての魅力もあり、改めて横須賀の歴史を詳しく学べた」と話すのは、うみべのえほんやツバメ号(津久井)の店主、伊東ひろみさん。かこさんの著書を並べた棚があり、以前からこの本も販売していた。「各人の背景にも迫っており、これにかこさんの”想い”も重なっている」と伊東さん。あとがきでは「この三人をはじめ〜多くの人の努力によって横須賀や横浜、日本が150年間に大きく発展することができました〜これからの150年は私たちの力で、もっと素晴らしい年月に〜」と結び、次世代へのエールも記している。
発刊時は市内で原画展なども催されたというが、当時の状況を知る市担当職員も異動しており、図書館や学校での配架に留まっているのが現状。同店には販売在庫があり、「かこさんの作品として周囲に紹介したい」と手に取る人もいるという。伊東さんは「何かの機会に改めて原画の展示もできれば」と話している。
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