東京電力フュエル&パワーと中部電力による合弁会社「JERA」が久里浜で進めている横須賀火力発電所新1・2号機建設の準備工事が5月から始まる。同社の工事概要によると着工は8月で、2023年6月に1号機の運用を開始。石炭火力による発電施設については、東京湾内の地区で計画中止が相次いでおり、横須賀の動向が注目されている。
かつては合計8基の発電設備があった久里浜の横須賀火力発電所。株式会社JERAは、動力を石油から石炭に切り替え、出力約65万kWの発電施設を2基建設する計画を進めている。新1号機が2023年、2号機が24年の運転開始を予定しており、今年1月末に環境影響評価の手続きを終え、5月に準備工事に着手する。工事概要によると、8月の着工で22年8月には1号の試運転を行うという。
計画中止の地区も
石炭火力発電については、CO2発生量が他の化石燃料と比べて多いことから、気候変動への影響や環境リスクも大きいとされ、利用を減らすべきとの声が広がっている。東京湾内では横須賀を含めて千葉(蘇我)、市原、袖ケ浦の4地区で石炭火力発電所の計画が持ち上がっていたが「環境規制に対して事業の採算が取れない」などとして、3地区で撤回に追い込まれている。湾内に残る計画は横須賀のみとなり、署名や学習会などを通して、中止を訴える活動を進めている市民団体もある。
2月28日の市議会本会議では、大村洋子氏が同計画について質問。上地克明市長は「民間事業者の企業判断によるもの」との市の立場を示した。また、「法令を遵守し、環境に配慮されているもの」として、市街地やマリンレジャーの観光地に近接する発電所が「市のイメージダウンとなるような施設ではない」と答えている。
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